天聖経: 第427話

第十三篇 平和メッセージ

第三章 真の父母と天一国時代

第三節 天一国時代の摂理 9-21

 

人類平和のためのプロジエクト

11 人種、国境、宗教の壁を越え、このように数十、数百のNGO(非政府機構)と各国の大使、そして宗教指導者が一堂に会し、「お一人の神様のもとの一つの家族」の夢を実現するため、真の愛の革命の隊列に参加された皆様の姿を拝見でき、感慨無量です。

 

12 私は、生涯、神様の真の愛を実践するために生きる人生の道理を教えてきました。これは、個人だけでなく、家庭と社会、国家、このようにすべての次元で適用されなければならない基本原理です。

 

13 世界の指導者の皆様、私は、きょう貴い神様の摂理歴史的完成の場をお借りして、もう一度、神様と人類の摂理的最後の目的である平和天国創建のために、そして、神様の祖国と本郷の創設のために、実に摂理的で革命的な新プロジェクトを宣布しようと思います。

 

14 歴史的に、サタンによって東と西、南と北に分けられ、地理的には、北アメリカ大陸とロシア大陸を分けるベーリング海峡に橋梁を建設し、海底トンネルを通そうというのです。そうして、アフリカの喜望峰からチリのサンティアゴまで、イギリスのロンドンからアメリカのニューヨークまで、自動車で全世界を巡回しながら疾走できる「世界平和超高速道路」を連結する「ワールド・ピース・キング・ブリッジ・アンド・トンネル」を完成し、世界を解放、釈放する一日生活圏にしようというのです。これ以上の分断と分裂は容認できないというのが天の警告です。全世界を一日生活圏で結び、サタンがつくった人種、文化、宗教、国家の壁を崩し、神様が何よりも願ってこられた平和理想世界王国を、この地球星に創建しようというのです。

 

15 アメリカとロシアが一つになり、ヨーロッパ大陸、中国、インド、日本、ブラジルなど、世界のすべての国家、そしてすべての宗教が一つになり、共に力を合わせ、この歴史的なプロジェクトを成功させなければなりません。この事業の成功こそ、人類にとって、これ以上戦争と分断が必要ない平和理想世界王国を創建するにおいて、決定的な役割を果たすでしょう。

 

16 皆様、このような途方もないプロジェクトを完成できるのかと、疑問をもつ人もいるでしょう。しかし、神様のみ旨がある所には、必ず道があります。二十一世紀の現代科学技術は、今、ベーリング海峡にトンネルを通す程度のことは問題にならない水準にまで発展しています。工事費用も問題になりません。世界が戦争という名のもとに費やしているお金がいくらでしょうか。人類は今、歴史と後代の前に、実に恐るべき罪を犯していることを自覚すべき時です。

 

17 一つの例を挙げましょう。アメリカが過去四年余りの間、イラク戦争につぎ込んだ戦費がどのくらいになるか御存じですか。約四十兆円(四千億ドル)に迫っています。それだけの予算があれば、ベーリング海峡プロジェクトを完成しても余ります。なぜ私たちが、互いに殺し合う戦争に、このように途方もないお金をつぎ込む愚かな蛮行を続けなければならないのでしょうか。聖書のイザヤ書第二章四節に「彼らはそのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし」とあるように、今はその教えのとおりにしなければならない時です。人類はもうこれ以上、戦争のための戦争に子女たちの命を犠牲にし、天文学的なお金を費やす悪業を繰り返してはなりません。世界のすべての国家の力を総動員し、大宇宙の主人である神様が願われる平和理想世界王国創建に、総邁進すべき時が来たのです。

 

歴史の中の摂理的結実

18 私たちは、二〇〇九年一月一日と十五日、三十一日の三回にわたって歴史的な「万王の王神様の新しい解放圏と戴冠式および金婚式」を挙行しました。特に一月三十一日には、東洋圏を代表した韓国の天正宮博物館と西洋圏を代表したアメリカ・ニューヨークの二カ所で、同じ日に歴史上空前絶後の摂理的行事を天に奉献するという記録を打ち立てました。

 

19 二〇〇九年四月以降の時は、私たち夫婦が聖婚式を挙げて五十回目になる時です。独裁に対して抵抗、拒否して叫ぶ、若い学生たちの絶叫が韓半島に響き渡った一九六〇年陰暦三月十六日、私たち夫婦は、聖婚式を通して天から印を受け、人類の真の父母、真の師、真の王の険しい復帰摂理路程を出発したのです。それから五十年、神様を完全に解放、釈放してさしあげ、万王の王としてお迎えするまで、私たち夫婦が歩んできた蕩減復帰摂理の路程のすべてを、どうして筆舌によって説明できるでしょうか。はるかのちに歴史家たちが証明し、記録することになるでしょう。

 

20 皆様はよく御存じではないと思いますが、真の父母様の戴冠式と金婚式のもつ摂理的意味は実に途方もないものです。人間始祖の堕落によって神様の真の血統がなくなり、サタンの偽りの血統が人類歴史を支配してきたという事実は、皆様も原理を学んで御存じでいらっしゃると思います。血統が入れ替わった人類の歴史は、結果的に肉界はもちろん霊界までも、徹底して善悪のカインとアベルの相克的対立闘争の関係でもつれてしまったではないですか。このような悲惨な歴史に対して、誰一人としてその解決法を見いだすことができないまま、今まで放置された状態で歴史は流れてきたのです。

 

21 これからは時代が変わります。真の父母様の戴冠式と金婚式を契機として、カイン・アベルの完全一体圏の門が開かれつつあるのです。神様の本性的心情を相続して共有する完成、完結の段階、すなわち堕落の痕跡すらない原状の人間へと復帰される恩賜圏に進入する新しい時代なのです。「○」と「x」の原理的次元から考えてみても、それは、「○」の立場であられる神様の善主権が、「x」の立場であるサタンの悪主権を痕跡も残さず、丸ごと包容して消化する時代圏を意味するのです。もうこれ以上、実体の神様として役事なさる真の父母様と無形の神様を区別する必要のない地上天国と天上天国が、実体的に皆様の目の前に広がる新しい時代圏が開かれつつあるのです。

 

Luke Higuchi