天聖経: 第425話

第十三篇 平和メッセージ

第三章 真の父母と天一国時代

第二節 神様の摂理史観 16-25

神文明圏の構築

16 環太平洋時代の到来が意味するところは、実に大きなものです。人類のメシヤとして来られたイエス様が、み旨を成し遂げていたならば、世界はどのような姿に変わっていたと思いますか。イエス様は、全人類を救うために来られた救世主、メシヤだったのであって、地中海東方の片隅に位置するイスラエルだけを救うために来られた方ではなかったのです。

その当時、人類文化は、既に地中海の中心であるローマを拠点として、四海を掌握し、治める準備ができていました。したがって、天は、イエス様がローマを教化して統治し、その強大なローマの力を借りて、世界人類を新しい神文明圏へと救ってあげることを期待していたのです。しかし、歴史は、あまりにも悲惨な十字架の惨刑で終わったイエス様の最期を記録しています。

 

17 神様は、数千年準備した基台の上に、ようやく御自身のひとり子であるイエス様をこの地に送られ、労心焦思(心を痛め気をもむこと)、一挙手一投足を見守っておられましたが、その神様の心情は、どのようなものだったでしょうか。人類の始祖として造ったアダムとエバが、堕落によってエデンの園から離れていった時よりも、もっと大きな凄絶で惨絶な、恨が骨身にしみる悲劇になってしまったのです。それから二千年、神様は、歴史の裏道で、人間には到底想像もできない受難の路程を歩まれたのですが、その過程を通して準備された第二イスラエル圏の国がアメリカです。キリスト教国として、新教と旧教が適切に配置されているアメリカは、旧教と新教を一日も早く和合・統一させ、イエス様の時代に成し遂げることができなかった、二十一世紀のローマの役割を完遂する使命を担っているのです。

 

18 六十五億の人類の和合と統一を開拓し、この地に平和理想世界を創建するにおいて、牽引車の役割を果たすべき摂理的次元の責任が、アメリカという国に背負わされています。これは、単に先生の言葉ではありません。天が、今日のアメリカに下された天命です。そうだとすれば、私たちは、どのように旧教と新教を一つにすることができるのでしょうか。神様は、既にその答えを、人類の真の父母として顕現された先生を通して送ってくださいました。それこそ神様の創造理想を完成する神文明圏の構築です。それは、真の愛の人生を実践躬行し、霊界の実相をはっきりと知り、モデル的理想家庭である真の家庭を探し立てなければならないという、天からの至上命令です

 

環太平洋圏を中心とした人類の未来

19 皆様、この地球星に現存する六十五億の人類の中で、五十億に近い人たちが、皆様の隣人であり、親戚である環太平洋圏の兄弟姉妹です。言い換えれば、私たち人類全員が根を同じくする蒙古斑同族圏の同族です。神様の平和理想を中心として、私たちが祝福を受けて一つの血統で団結すれば、できないことがどこにあるでしょうか。人類の未来は今、私たちの手にかかっているのです。

 

20 天の摂理は今、アメリカ大陸を経てイギリスと同じ立場である日本列島において島嶼文明の花を咲かせ、人類の救世主であり、再臨のメシヤとして顕現された真の父母の祖国、韓半島で結実すべき宿命的瞬間を迎えています。韓半島は、イエス様当時のローマと同じ立場に立ち、全世界の問題を解決しなければならない超宗教圏と超政治圏の紛争地域とみなされています。地政学的な次元から見ても、韓半島は今、世界平和を定着させることに、最も先鋭な対立地域として浮き彫りになっています。

 

21 人類文化が、韓半島を中心とする太平洋圏において、結実しなければならないというのは、神様の蕩減復帰原理のためです。朝鮮戦争の時には、有り難くも、アメリカを中心とする国連軍が動員されましたが、神様が願われる祖国と故郷を取り戻さなければならないみ旨を成し遂げることができず、途中下車することによって、物質の奪い合い、人の奪い合い、有神論と無神論の対立など、世界的次元の葛藤と紛争は、冷戦という名で継続してきました。

このように、蕩減復帰するという目的が不明確になっていたため、今では私が創設した「天宙平和連合」の名で、祝福を受けた天の女性たちを中心として、より平和を愛し、奉仕し、犠牲になる「平和軍」と「平和警察」を再編成して教育し、先頭に立てました。これらは、神様を中心とする世界平和を具現する平和前衛隊として、神様の願いである平和理想世界を創建するようになるでしょう。

 

22 皆様は、よく知らないと思いますが、韓半島の核問題解決のために、現在進行している六カ国協議の背後を舵取りし、民主主義諸国と共産主義諸国を和解させ、その解決策を提示しているのも、先生が伝えた新しい天父主義の平和と和合の原則だという驚くべき事実を明らかにしたいと思います。

この切迫した時点において、アメリカと国連の役割は、果たして何でしょうか。環太平洋圏の中心に位置しているアメリカのノーフォークとハワイは、大西洋と太平洋はもちろん、五大洋を代表しています。そのハワイとノーフォークは、東洋と西洋を結ぶ架け橋であり、南と北を連結する鎖です。韓半島は、アメリカ大陸を背負い、太平洋圏のすべての島嶼国を糾合し、環太平洋圏を保護する祖国になるのです。重ねて申し上げますが、それは正に、人類の未来が韓国と日本、そしてアメリカを中心とする環太平洋圏の保全にかかっているからです。

 

23 このような天のみ旨をよく知っていた私は、去る一九七〇年代から三十三年間、生涯の黄金期を、このアメリカを中心として世界平和のために精誠を尽くしました。そして、一九九一年には、冷戦時代に終止符を打つため、北朝鮮の全日成主席(当時)と会談に臨む深刻な瞬間にも、まずハワイに寄って精誠を捧げました。それを勝利した土台の上に、私は、再び韓国に戻り、神様の祖国と故郷を定着させる摂理を完成させつつあります。

特に今年(二〇〇七年)は、摂理的禧年を迎え、再びアメリカを訪れることになり、その最初の経由地としてハワイに行くことになりました。

 

24 皆様、昨今の世界情勢を冷徹に分析してみてください。共産主義の仮而を脱いだといいますが、今も中国やロシアのような周辺の好戦的な強大国は、虎視眈々と力のない小さな島嶼国をねらっています。

どの国家でも、小さな島嶼国としては、単独でこの強大国の政治、経済、軍事的攻勢にはかなわないでしょう。彼らがその気になれば、一日でも無血占領を敢行できる力をもっているのです。

 

25 環太平洋圏に安定と平和が定着するとき、人類の平和も保障されるでしょう。怒濤のごとく押し寄せてくる周辺の強大国の途方もない津波を、単独では阻止することができません。環太平洋圏のすべての島嶼国が一つに団結し、神様が願う神文明圏の祖国を創建しなければならない時が来ました。

赤道を中心におき、南北に散在している太平洋圏の小さな島嶼国はもちろん、日本、台湾、フィリピン、インドネシア、ソロモン諸島、オーストラリア、ニュージーランドなど、すべての国家が、一つの国のように連合圏を広げ、人類の平和と安定を保障する環太平洋文明圏を守らなければなりません。日ごとに激しくなっていく環境破壊と戦争から、人類の未来の命綱であり生命線である海洋圏を保護して生かし、未来の平和のために本然の資源を守るべき責任が皆様にあるという意味です。

Luke Higuchi