天聖経: 第392話

第十二篇 天一国

第三章 天一国国民の道と「家庭盟誓」

第四節 心情と心情文化世界 12-21

第五節 天一国主人の生活と「家庭盟誓」1-3

12 私たちが願う本郷は、皆さんの故郷のような所ではありません。本郷は、心が楽しめる「私」の心情の安息所であり、心情世界の住み家です。天が私を訪ねてくれるというとき、私は神様に、「事情的な条件よりも、心情的な条件として私を訪ねてください」と言うでしょう。それは、事情が千態万象になり得る反面、心情はただ一つの条件しかないからです。

 

13 心情の世界は、いかなる制約も受けません。しかし、心の世界は制約を受けます。心は相対的な条件いかんによって制約を受けますが、心情の世界は制限する人がいないのです。父母が子女を愛する心を、いかなるものが制約できますか。いくら泰山のような障壁が前を遮っても、それをくじくことはできないというのです。心の世界は制約を受け得るのです。心の世界は相対的な立場であり、心情の世界は主体的な立場です。心は相対性をもっているがゆえに、制約を受けるのです。しかし、心情の世界はそうではないというのです。

 

14 神様のみ旨の中において、心情の先祖は誰でしょうか。統一教会の教会員は、心情世界において神様の骨髄にしみ渡った悲しみを知っています。神様の口惜しさと悔しさを知り、またこの怨讐世界を一時に審判してしまえる気概をもっていらっしゃる神様を知っているというのです。そのような意味で、統一教会の教会員が心情の先祖だというのです。

 

15 心情世界が別にあるのではありません。愛の基準は心情理想です。心情が重要なので、大宇宙の共通分母のような愛の勝利圏が、私たちの生活圏内に連結されるのです。愛の橋が連結されていくのです。そうして、世界にいるすべての万民に橋を架け、地上世界から地獄を通して天上世界にまで進んでいくのです。

 

16 皆さんが心情世界に到達できるただ一つの道は、神様の歩んだ道と先生の歩んだ道の足跡についていこうという姿勢をもつことです。そこでのみ、心情世界を体得できるのであって、他のところでは体得できません。この場に来るまで、どれほど涙を多く流したか、皆さんは分からないでしょう。この道を歩むのが、どれほど苦痛で、どれほど悲痛だったかという事実を知らなければなりません。

 

17 愛する人には、すべてのものを与えても、もっと与えたいのです。与えて、また与えて、また与えたいのが真の愛です。無限に与えても満足できない道を連結させたのが、真の愛の心情世界です。そのような本然的主人になり、根となる神様がいらっしゃるので、神様の理想的対象は神様よりも何億万倍、上になる位置にまで行かなければならない、このような人間の価値を考えた人がいないのです。

 

18 今日、数多くの宗教が主張した世界的な思潮も、過ぎ去ってしまいます。最後に再臨主として来られる新郎を中心として、新婦たちが出会う新しい世界文化圏時代が来ます。その世界は、言語も統一され、生活も統一され、行動も統一され、願いも統一され、心情も統一された時代です。そのような統一文化世界を通して一つの世界に収拾されるので、その基準を見つめながら出発したのが統一教会です。

 

19 心情文化世界を創建するために、私たちは、真の愛と真の父母思想の教育を通して人格を涵養し、神様の祝福のもとで真の愛の家庭を築く運動を、さらに広げていかなければなりません。生活信仰の鍛錬を通して、ために生きて投入し、また投入する真の愛の人格がつくられてこそ、理想的な夫婦、理想的な家庭が成し遂げられるのです。この道だけが極端な利己主義と個人主義、物質主義の惰性から抜け出し、人類に明るい未来を期待できるのです。

 

20 今後、理想的な世界の主流、もしくはその基礎になる文化の源泉であり、原料になる文化として、誰もが必要とする文化は心情文化です。父母に子女がいなくても駄目であり、子女に父母がいなくてもいけません。兄弟がいなくてもいけません。「私の民族」がなくても駄目であり、「私の国」がなくてもいけません。「私の世界」がなくても駄目であり、「私の天地」がなくてもいけません。これが心情の文化世界です。ですから、東方に明ける輝く文化は、心情の文化です。これから私たちは、心情的な文化世界を創造するのです。

 

21 到来する未来世界は、神様と人間と万物が調和を成し遂げる新しい心情文化、真の家庭による愛の文化の世界です。真の愛によって互いのために生きながら、和合、協力し、共に暮らす共生共栄共義の世界です。未来の歴史は、人類は、みな兄弟姉妹であることを念願する、人種を超越した真の愛による真の家庭、真の父母中心の真の家族理想によって「世界一家庭」の夢を実現する歴史でなければなりません。

第五節 天一国主人の生活と「家庭盟誓」

 

1 「家庭盟誓」は、一九九四年五月一日、「世界平和統一家庭連合」の創設とともに天が人類に下さった、祝福の中の祝福です。旧約時代と新約時代を完成、完結する成約時代を宣布し、先天時代の暗闇を貫き、明るい後天時代の新天新地、すなわち天宙平和統一王国天地開闢の時代を開いていく、道案内として下さった里程標です。

 

2 一九五四年に「世界基督教統一神霊協会」を創設して以来、四十年の長い蕩減路程を真の父母が直接闘って勝利し、越えられた基台の上で、これからは個人的な次元の「私の誓い」ではなく、天国入城の基本単位になる真の家庭が共に唱え、実践すべき「家庭盟誓」です。涙なくしては唱えられない、天と真の父母様の恨が込められた誓いです。堕落した宗教の仮面を脱ぎ、解放の場で千年、万年、唱えることのできる人類の表題です。家庭は、天国に入城する基本単位になるからです。

 

「家庭盟誓」宣布の背景

3 摂理的な観点から、復帰摂理の時代は終わったと見るのです。復帰摂理時代が終われば、本然の創造理想の世界に越えていくようになります。復帰摂理時代が終わるという話は、堕落した世界のサタンが権限をもつ世界が終わり、神様が地上世界と天上世界を直接管理する時代に越えていくということです。このような時が来るので、統一教会では「家庭盟誓」を宣布しました。

「家庭盟誓」は、一般の人が唱えるものではありません。「家庭盟誓」は、誰もが唱えられるようにはなっていません。「家庭盟誓」の八つの項目の冒頭では、「天一国主人、私たちの家庭は真の愛を中心として」ということが前提になっています。それは、サタン世界と関係のない基盤において語る言葉です。堕落することによって、偽りの愛を中心として、偽りの生命、偽りの血統が連結された世の中になったので、これを克服して越えるためには、真の愛と真の生命と真の血統の位置を占有しなければなりません。そのようにしなければ、これを克服できません。なぜ「家庭盟誓」は真の愛を前提条件としたのでしょうか。エデンの園において、堕落のなかった本然の世界に入っていることを示すためなのです。

Luke Higuchi