天聖経: 第420話
第十三篇 平和メッセージ
第三章 真の父母と天一国時代
第一節 真の父母様の生涯と業績 1-11
1 皆様、振り返ってみれば、実に夢のような私の生涯です。多感な夢に胸膨らませていた十六歳の年に天からの召命を受け、世俗の夢をすべて諦めて、天命に従って出発した私の人生でした。決して平坦な道ではありませんでした。ひたすら、前だけを見つめながら歩いてきた八十年以上の人生でした。私のためにあらゆる犠牲に耐え、言葉では言い尽くせない受難の道を歩いてこられた愛する父母や兄弟が、切なる思いですがりつく、その手さえも振り払わなければ歩むことのできなかった宿命的な生涯でした。
2 この地上に六十五億の人類が生きていますが、その誰一人として理解できない険しい道のりでした。これまで六度の獄苦を経験しながらも、最後まで摂理の鍵を放さずに生きてきた人生でした。このように歩んできたのは、数千、数万年を待ちながら訪ねてこられた神様の、恨で固められた悲壮で痛ましい心情を、あまりにもよく知り尽くした私だったからです。あらゆる存在の根源であられ、宇宙万象の創造主であられる神様の恨を解いてさしあげなければ、人生には何の価値もないという事実をはっきりと知るようになったからです。
真の父母様の生涯
3 真の父母の使命を完遂すべき先生の生涯もまた、言い表せない苦難と迫害で綴られた恨の生涯でした。第一アダムと第二アダムが失敗したすべてを蕩減復帰し、完成しなければならない第三アダムである真の父母の使命は、救世主、メシヤ、再臨主の使命はもちろん、すべての宗主たちの使命までも総合的に完遂しなければならない人生なのです。
4 神様の宇宙創造がそうであったように、少しの誤差も許容できない人類再創造の大革命的役事でした。誰一人として相談すらできない孤独な路程でした。神様までも顧みられず、徹底して独りで訪ねていかなければならない茨の荒野路程でした。幾度も反復される生死の岐路で血を吐きながらも、天との約束を成し遂げるため、再び立ち上がらなければならなかった不死鳥の人生でした。
5 かつて日本留学時代に地下で独立運動を行ったとして、また解放直後、共産治下の平壌で天のみ旨を伝播したとして、自由国家として誕生した李承晩政権下でも、さらには、民主主義の世界的な代表国であると誇るアメリカにおいてさえも獄中の苦労を経験するなど、一生に六度も無実の獄中闘争を経なければならなかった先生の波瀾万丈な人生を、誰か理解する人がいたでしょうか。かわいそうな神様のために、そして死亡圏で苦しむ堕落した人類を救ってあげるために、歯を食いしばって耐えて生きてきた悲惨な生涯でした。今でも誰かが、私のこのような心情の内情をかいま見、一言だけでも投げ掛けたなら、私の涙は滝のようになるでしょう。
6 世の中では、一般的に八十八歳の老齢になれば、一生のすべてのことを整理し、静かに次の世界に入っていく準備をする時だといいます。しかし、先生の人生は、今からが始まりです。個人的に人生に対する未練が多く残っているからではありません。いまだに堕落圏を抜け出せないまま、苦しんでいる人類を救ってあげなければならない、真の父母としての召命的使命が残っているからです。
7 今は後天開闢の時代、すなわち秋の収穫の時が来ました。私は、今年も皆様を先導し、人類復帰の天宙的革命を遂行していくでしょう。躊躇しないでください!私の手を握って天命に従い、与えられた召命的責任を完遂しましょう!一日に数十万人もの私たちの兄弟姉妹たちが、救いの手を待ちながらむなしく死んでいく現実から、どうして顔を背けることができますか。
真の家庭の三代圏の勝利
8 私と共に韓総裁は、二〇〇五年九月十二日、アメリカのニューヨークで「天宙平和連合」を創設した直後、その創設メッセージを宣布し、世界百二十カ国の巡回を完了しました。この真の父母様の勝利的基盤を受け継ぎ、韓総裁は、今年(ニ〇〇六年)の春から再び二次として、世界百八十カ国でみ言宣布大会を開催し、真の子女たちを直接み言宣布に同参(一緒に参加すること)させることによって、真の家庭の二代が共に勝利する、実に驚くべき快挙を成し遂げました。この勝利は、天宙的次元でカイン圏の子女とアベル圏の子女を一つに結び、真の父母様に奉献する摂理的所有権まで転換する勝利でした。
9 この勝利的基台の上に、去る六月十三日には、ついに天と地が一つになり、神様と天地人真の父母様が安着される天正宮博物館入宮式と、天地人真の父母様の天宙平和の王戴冠式が挙行されました。実に、歴史上空前絶後の大勝利でした。その日は、歴史の背後で数千、数万年の間涙を流され、独りで恨の摂理路程を歩んでこられた神様が解放、釈放され、天宙の王であり主人として、永遠に安着される日でした。
10 天正宮博物館に入城された神様と真の父母様の勝利は、今、世界六十五億の人類を天の眷属に還元させてかき抱く、恩赦の大長征へと続きました。二〇〇六年八月三十一日、私が韓国で最初のテープを切り、三回目の出発となるみ言と祝福の世界巡回が、真の父母と真の子女たちはもちろん、真の孫と孫娘まで帯同し、真の家庭の三代圏が全世界四十カ国を巡回し、祝福を施す大長征において、堂々と勝利を勝ち取って帰国したのです。今回の世界巡回が特別なのは、真の父母の家庭の三代圏が動員されたという点です。
11 「天宙平和連合」の創設以降、先生は、三代圏祝福理想の完成を通して、み言と祝福によって全人類を「神様のもとの一つの家庭」にしようと、私と韓鶴子総裁、さらに直系の子女たちと孫と孫娘、三代圏が進み出る世界巡回を完了しました。さらには、アメリカのキリスト教の代表百二十人、宗教圏の代表者千二百人、さらに一万二千人の平和大使たちに、国家代表として世界百九十カ国以上を巡回させ、真の父母様のみ言と祝福行事を行うことによって、神様を中心とする神文明世界を成し遂げていくにおいて、真の家庭の価値を人類と天宙の普遍的価値として定着するようにしたのです。