天聖経: 第154話

日本語のオーディオはしばらくの間、お休みさせて頂きます。皆さんご迷惑をお掛け致しますが、各自訓読なさるか、もしくは、英語版を聴きながらの訓読の程、よろしくお願い致します。ーゴデイブルチームー

第六篇 真の万物

第一章 万物創造とその意味

第二節 万物創造の意味 25-36

第三節 自然探求と自然の教訓 1

25 神様は、何を必要とされるのでしょうか。神様も真の愛が必要なので、神様がすべての宇宙を造るとき、最も喜ぶ環境を造らざるを得ませんでした。このように、神様が最も喜び得る環境を先に造られ、ここに最も喜び得る主体と対象として男性と女性を造られたというのです。その男性と女性が一つになる真の愛を中心として、神様と縦的な愛の軸を立てるという創造理想がありました。ここに万民が和合しなければなりません。すべての個人は、この同伴者となり、相対圏や対象圏という環境的に与えられた条件に拍子を合わせなければなりません。それができないのは、踊りを踊る手が右だけあって左がないのと同じであり、右足だけあって左足がないのと同じです。「愛の障害者」になるのです。神様はそれを願われません。

 

26 神様が創造をなさるとき、最初に人から造ることはしませんでした。先に環境を造っておき、その環境の中に入れたのが主体と対象の概念です。ですから、この創造の環境の中にある鉱物世界、植物世界、動物世界のすべての物は、どんなものであっても、レベルの高低を問わず、主体と対象の関係、すなわちプラスとマイナス、雄と雌、男性と女性のように相対的関係の存在として配置されているのです。ですから、鉱物世界もプラスとマイナスが一つになるのです。植物世界、動物世界、このすべての世界が同じようになっています。

 

27 天地創造の道理を見れば、核心を先につくってから相対をつくったのではありません。核心をつくる前に、相対的な条件をつくっておいたのです。人を造るために土を先に造っておきました。外的なものを基盤として内的なものを立ててきたのです。それが天地創造の道理です。現在のものよりもさらに大きなもの、価値の小さな所からより価値のあるものを求めていくのです。天地創造の道理がそのようになっているのです。人間の創造を見ても、体を先に造っておいてから霊を吹き入れたのです。

 

二性性相に似た宇宙万物

 

28 宇宙を観察してみれば、すべてが陽性と陰性の二性性相の相対的関係を結ぶことによって存在していることが分かります。これは鉱物という次元から始まり、すべての場合に適用されます。分子は陽イオンと陰イオンの結合を通して形成され、植物の場合、生存と繁殖は雌雄を代表する雌しべと雄しべの結合を通して形成されます。このような二性性相は、動物の場合によりはっきりとします。魚類、鳥類、哺乳類等、すべての動物は雄と雌で存在します。最後に、神様の最高の創造物である人間も、男性と女性に区分されているのです。

 

29 神様は、二性性相の中和的主体です。主体は何を中心として成立するのでしょうか。愛を中心として成立します。ですから、横的な基盤が必要です。刺激的な基盤を多方面にもちたいと考えて拡大、展開したのが被造世界です。神様は、いつも喜びの立場に立つために万物を創造されました。神様は、縦的な基盤を中心として役事しますが、横的な基盤がなくなるときは連結できません。したがって、どんな人でも、絶対相対基盤をもたなければ、神様の主管を受けることができません。

 

30 被造世界は、神様の性相に似ています。すべての被造物は二性性相の分立体として展開されています。主体と対象の関係、それから上下関係、前後関係、左右関係の相対的関係によって連結されているのです。そのような環境的制度の条件をもった目的とは何でしょうか。愛を目的として動くことです。

 

31 被造世界は、すべてペアの相対圏になっています。一双、二双、このようにすべて、ペアの主体と対象の相対圏になっているのです。ですから、最も小さいものから造ったのです。

神様も無形の主体なので、実体相対圏、絶対的な有形の実体を必要とせざるを得ないのです。したがって、神様も二性性相をもっています。それは、無形の性相を有形の実体として展開する創造のためのものです。

それを中心として宇宙の被造世界を考えてみれば、鉱物世界も主体と対象の関係をもって運動しています。分子を見ればプラスイオンとマイナスイオンが主体と対象の関係であり、原子を見れば陽子と電子が主体と対象の関係です。

 

32 宇宙を見れば、鉱物世界や植物世界、動物世界がペアで造られています。ペアでないものがありません。なぜ天地がペアで造られたのかというのです。子を産むためではありません。愛を完成するためです。そのため雄と雌、電気で言えばプラスとマイナス、その次に陽イオンと陰イ才ンがすべて相対と互いに一つになろうとするのです。次元は違いますが、愛を中心として一つになるのです。愛を好まないものはありません。

 

33 自然界を見つめれば、独自的な立場で存続する物はありません。必ず相対性をもって相対のために存在し、存続します。微生物も、もしくは鉱物世界の元素までも、必ず相対的な関係を追求してこそ力が生じ、作用が起こります。存在しようとすれば力がなければならないというのは、誰もが公認しています。この宇宙は力によって構成されています。

それでは、力自体はどのように形成されるのでしょうか。力は作用を通じなければ発生できません。作用しようとすれば、どのようにしなければならないのでしょうか。独自的に作用するものはありません。これは科学世界において、特に化学実験室においてはっきりと感じられます。実験する当事者が、ある元素と元素を通して何かの作用を起こそうといくら力を加え、努力してみても、人間の力では作用させることができないのです。そのようにできない元素があるのです。

 

34 地球は人に似ています。神様も息をすると考えることができます。見えない呼吸をするのです。地面も、神様に似たので息をします。それでは、気道は何でしょうか。地球には磁力線があります。磁石に磁力をもった物を近づけると、その磁力線に沿って動きます。神様に似て、そのようになっているのです。

地球の表面にある木は、私たちの髪の毛と同じだと見ることができます。次に、地面は皮膚と同じで、その下に筋肉と脂肪の層があるのと同じように地層があり、その次に、骨のような岩層に入り、溶岩層に入っていくのです。すべて人を象徴しているのです。

 

35 神様が御自身の形を実体化させたのが宇宙です。言い換えれば、神様が考えるものをただそのまま実現化させたのが万物の創造なので、宇宙は神様に似ているのです。ですから、どんなものを見ても、そこには神様の性稟が入っています。このように見ると、宇宙は神様が造った創造物ですが、全体で見るとき、神様の一つの対象的存在だというのです。

 

36 家庭では、基本原則に従って父なら父、母なら母を中心として生活していきます。植物、鉱物、動物世界も、やはりそのような基本原則に従って存在するというのです。私たちの体も、五官を中心としたすべての系統に従って、全体の体が編成されています。このような全体を糾合して一つの原則的な基本を突き詰めてみれば、主体と対象の関係、二性性相という概念を発見するのです。

第三節 自然探求と自然の教訓

 

1 先生は幼い頃、活動範囲がとても広かったのです。目に見える野原や山の頂上など、行ってみなかった所がありません。その山の向こうまで行ってみなければ、気が済みませんでした。そうしてこそ、朝日に映るあの向こう側には何があるということが頭に入ってくるのです。ですから、どこにいても、座っているということがありませんでした。そのようにして先生が、信仰的な情緒を育てたのが故郷の山と川です。故郷の水であり、故郷の木であり、故郷の地であり、故郷の春の風です。過去のあらゆることが生き生きと記憶に残っています。祈りながら起きた出来事も、鮮やかによみがえってくるのです。

Luke Higuchi