天聖教: 第12話

第一篇: 神様

第二章: 心情と真の愛の神様

第二節: 真の愛の神様 19-20

第三節: 真の父母であられる神様 1-17

19 愛の概念から男性と女性が分かれました。見えない神様は、一致したところでは愛の刺激を感じられないので、分立させて刺激を感じようとしたのです。言い換えれば、無形の神様の実体の内容が、有形の実体の内容に展開したのです。無形の性相と形状の実体圏が有形の実体圏、性相体と形状体に展開しました。それが再び無形の実体になろうとすれば、一つにならなければなりません。神様が実体としていらっしゃるので、無形の性相と形状の愛で一つにならなければならないのです。人間も、男性と女性が一つになった実体対象になるとき、初めて神様の愛の相対になります。

20 人間の創造とは、神様御自身が成長してきた過程を実際に再び展開させてきたものです。そこに神様が興味を感じ、刺激を感じるのです。人も同様です。画家が、傑作を作るために絵を描くのは、自分の内的な素性をすべて実際の形象として展開させることです。自分の骨髄の中の深い所まで搾り出して投入するのです。

第三節 真の父母であられる神様

1 男性は神様のプラスの性稟の、女性は神様のマイナスの性稟を身代わりした実体対象です。創造理念は、両性の中和体としていらっしゃる神様の性相を二性に分立したのちに、再び神様の本性相に似た姿に合性一体化します。一人の男性と一人の女性は、各々神様の一性に似て現れました。したがって、これらの一男一女の結合は、神様のプラスの性稟とマイナスの性稟が一つとなることです。すなわち、神様に似た中和体となるのです。ですから、二人、すなわち夫婦は、神様の全体を表象する結合体です。男性は神様のプラスの性稟を身代わりすることによって真の父の分身となり、女性は神様のマイナスの性稟を身代わりすることによって真の母の分身になります。彼らは各々神様の代身者でもあるのです。

宇宙の中心は父子の関係

2 私たち人類の父が神様です。私たちは神様の息子、娘です。神様が第一世ならば私たちは第二世の神様です。一世の神様がプラスであり、二世の神様がマイナスです。プラスとマイナスが自動的に一つになるのが創造原理です。

3 天地の中心と宇宙の根本とは何ですか。先生が神秘的な境地に入って、神様に祈ってみると、父と息子、娘の関係、すなわち父子の関係だとおっしゃいました。分からない人たちは、肉親の父母、息子、娘との関係だと思うかもしれませんが、神様と人間の関係を意味するのです。

4 神様と人間は父子の関係ですが、どのようにしてそのような関係が結ばれたのでしょうか。皆さんが神秘的な境地に入って祈るとき、「人間は被造世界の中心ですが、この宇宙の中心は何ですか」と尋ねると、「父子の関係だ」という答えを得るでしょう。宇宙の中心について一言で結論を下せば、父子の関係だというのです。人々は父子関係というものを、普通に考える自分の父母、すなわち人倫道徳を中心とした父子の関係のことだと思っていますが、そうではありません。それを立体的な立場で見れば、神様と人間は、父子関係の情を中心として一つになっています。その位置が宇宙の中心なのです。

5 愛を中心として見てみるとき、「私」は母の愛の実であり、父の愛の実です。神様の愛の実です。縦的な面では神様の愛の実であり、横的な面では父母の愛の実です。これを受け継いだのが私なので、父母は私に背くことができません。なぜなら、永遠にその愛に従って一つになり、永遠にその愛の中で生きたいからです。ですから、父母は、堕落したとしても、その息子、娘と永遠に暮らしたいと思うのです。

6 神様御自身も心と体をもっていますが、それが主体と対象の関係で絶対的に一つになっています。一つになっているので神様が安息できるのです。神様は、永遠に心と体が一つになった立場にいらっしゃいます。真の愛を中心として一つになっています。そして、そのように一つになった対象の存在を必要とするので、人間を造りました。父子の関係は血統的関係です。父母の要素を息子、娘がすべて受け継ぎます。父母の性相と形状を、主体と対象の関係と同じように受け継ぐのです。父母と同じように、プラスとマイナスの要素を子女たちは受け継ぐのです。それ以外には受け継ぐものがありません。神様の愛で一体になり、すべての骨格が一体になり、神様が一つになるのと同じように、心と体が一つになるところから相手が必要になります。そのような立場において、男性は女性が必要であり、女性は男性が必要であり、家庭が必要であり、子女が必要です。

7 心の立場を代表する父が神様であり、体の立場を代表する父が、堕落していない真の愛を中心とした人類の始祖です。統一教会では、歴史時代には分からなかったこの事実を突き止め、これに代わって対応する名称として使う言葉が「真の父母」です。ですから、横的な真の父母の立場が、本来の創造した理想観から見た神様の息子、娘の立場でした。アダムとエバの立場だったというのです。

8 神様は、愛の神様です。愛の神様が人間を本当に愛する位置はどこでしょうか。人間が求める最高の位置です。神様はその位置を愛さなければならない立場にいらっしゃるのです。人情と天情が結合するところは、神様と人間が父子関係を結ぶところです。宇宙の根本は、父子の関係です。その父子関係とは、天地を創造した絶対的な神様と、堕落していない本然の人間との関係です。人類が到達すべき本然の価値の位置は、神様が父であり、人間は子女だという位置です。

9 宇宙の根本は何でしょうか。始まりは愛であり、結果は父と息子です。神様は、愛を中心として父子関係を結ぶために宇宙を造りました。ですから、宇宙の根本も父子関係です。皆さんは宇宙の根本を中心として連結されています。したがって、皆さんも父になり、息子、娘にならなければなりません。

10 宇宙の根本は、正に父子関係です。私たちの本心が行く道は、千万人に尋ねても、神様を自分のものにし、神様の愛を占領するために行く道だと答えるでしょう。息子が十人いるとしても、息子たち一人一人に対する父母の愛には差がありません。万民が心と行動を一致させて神様を父と呼ぶようになる時、かわいそうな父から切なる愛が流れ出るというのです。父母の心情を経て、骨髄からにじみ出る愛が子女に宿るとき、ここが正に人間がとどまる最高の幸福の基点であり、人間の心の本郷です。

11 人は自分に似たものを好みます。理想世界は神様に似なければなりません。神様は天地を創造するとき、どのように造ったでしょうか。創世記第一章二十七節に、「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」とあります。神様のかたちに、男性と女性を創造したというのです。ですから、人間は神様に似ているのです。私たちが自分に似たものを好むのを見ると、結局、神様も私たちが神様に似ているので私たちを好むというのです。ですから神様は、天地万物を造っておき、神様に似たそれらを見ながら喜ぶのです。

12 神様は絶対的なお方であり、全知全能のお方です。そのような神様は誰に似たのでしょうか。私たちがそのお方の形状どおりに造られたので、神様は私たち人間に似ています。神様は人格的な神様です。ですから、神様は人間に似ているのです。人間を神様のかたちに造ったとあるので、父である神様は息子と似ているに違いありません。神様は人間に似ているのですが、どのように似ているのでしょうか。女性に似ていて、男性に似ているというのです。

13 「私」は誰に似ているのでしょうか。神様に似ているのです。神様を中心として見れば、私は神様に似ていて、私を中心として見れば、神様が私に似ています。言い換えれば、父を中心として見れば息子が父に似ているのですが、息子を中心として見れば父が息子に似ているというのです。神様は私たちに似ていて、私たちは神様に似ているというのです。私たちの欲は誰の欲に似ているのですか。神様の欲に似ています。神様の欲に似ているので、その欲は最高のものをもとうとするのです。神様は最高のお方であり、絶対者なので、取るに足らないものを保持しようとするのではなく、最高のものを保持しようとします。それが私たちの心です。

14 神様は全知全能で、遍在し、永遠のお方ですが、私たちはどこが似なければならないのでしょうか。私たちが神様に似ているとすれば、どのようにならなければならないのでしょうか。神様が永遠なら私たちも永遠でなければならず、神様が遍在するなら私たちも遍在しなければなりません。ですから、世界のどこにでも行って暮らしてみたいと思うのです。全知全能の力をもって全世界を一度に掌握して暮らしてみたいと思うのです。そのようにしたいと思うのは、神様に似ているということです。

15 神様と人間の関係を見てみるとき、神様が人間の父であり、人間が神様の息子、娘だとすれば、人間に対して「神様よりハンサムだ」と言っても、神様は気分が悪くありません。もし、気分が悪いとすれば、神様は堕落した人間より劣るというのです。ですから、愛が必要です。

真の父母であられる神様

16 神様は、縦的な真の父母です。真の愛を中心とした縦的な真の父母の立場に立っているお方が創造主、神様です。神様が縦的な愛の主人ならば、縦的な愛だけをもっていては一点にしかなりません。これをいかにして横的に展開させるのでしょうか。赤ん坊を生むのは、神様ではなく真の父母です。横的な真の愛の父母の立場に立った、そのお方が真の父母です。神様のみ前に、すなわち縦的な愛を中心とした真の父母のみ前に、九〇度の角度を備えた横的な愛をもったお方が真の父母なのです。ですから、皆さんは二人の父母の愛が必要です。お一人は創造主である父母であり、お一人は神様の対象として理想を描きながらお造りになった実体的な父母です。ですから、神様は心と同じ立場の父母であり、真の父母は体と同じ立場の父母です。

17 神様は縦的な父です。縦的な真の愛を中心とした父母です。そして、アダムとエバが成長し、成熟して神様のみ旨を成すようになったとすれば、これが横的な父母です。横的な立場の真の愛を中心とした父母の位置です。この縦的な神様と横的な真の父母が、愛を中心として十字に交差する点において九〇度で一つになるのです。

Luke Higuchi