215.韓鶴子総裁御言選集2 理想家庭と平和世界のモデル

第2巻 第15回

第2部  理想家庭と平和世界のモデル

1.   神様が臨在される家庭をつくろう

*このみ言は、1981年11月12日、韓国ソウルのロッテホテルで開催された第10回「科学の統一に関する国際会議」に参加した世界の学者の夫人たちに宣布されたものである。

世界で最も平和を愛する韓国人

皆様、東洋にある私どもの国においでくださいまして、心から感謝を申し上げます。文先生と私は、長い間、私どもの故国に皆様をお招きしたいと切望しておりました。10年間にわたり、その考えを温めてまいりました。皆様に御覧いただきたいものや、してさしあげたいことについて多くを話し合いました。皆様方が韓国においでくださいましたことは、非常に意義深いことでございますし、私も皆様方すべてに深く感謝申し上げます。

伝統的に、韓民族は白い衣装をまとうことを好みます。韓民族は、神様を非常に深く愛しておりますため、神様の清さの象徴として白い衣服を着たいのです。また先祖を非常に尊敬しておりますし、平和を愛好する民族です。

何百回も他の国々は我が国を侵略してまいりましたが、私どもはいつもそれを乗り越えてきました。そして、5000年の歴史において、韓国は、一度たりとも他国を侵略したことがありません。このため我が国は、「静かなる朝の国」として知られております。

韓国動乱の折には、信じられないほどの惨事を被りました。しかしながら、神様は本当に私どもを助けてくださいました。世界16ヵ国の青年が、援助に来てくださったのです。その時には、韓国の全国民が国連軍と一緒に固く団結しました。その団結によって、共産主義から自由を守ることができたのです。

1970年代から、韓国民は一生懸命働いてまいりました。今日韓国は、世界で最も経済成長の速い国の一つとして認められています。この成長ゆえに、1988年度のオリンピック主催地として韓国が選ばれました。この世界的行事の主催国に私どもが当たりますことを有り難く思っています。 

偉人たちの妻の内助

偉大な人物の背後には、いつも夫人がいると申します。この意味におきまして、私は心から皆様方を尊敬いたしております。皆様方は、人類に貢献するために多くのものを創造なさった御主人を援助してこられたからです。

私も、夫である文先生の素晴らしき援助者たらんと心掛けております。しかしながら、御存じのように、先生の理想と目標が非常に高いため、困難なことではあります。どれほど私が夫を助けるため、良き働きをしているであろうかと考えることがあります。私は一度も採点表を受け取ったことがありませんから、もし皆様が先生に尋ねる機会がございましたら、聞いて、その返事を私に知らせていただきたいと思います。

いずれにしましても、私は12人の愛すべき子供をもうけましたから、先生が少なくとも1個は私にメダルを下さるであろうと希望しております。

韓国の歴史におきましては、非常に尊敬されてきた、多くの素晴らしい女性がおります。その婦人たちは、家族に栄誉を捧げました。韓国が他国から侵略された時には、多くの婦人が、その夫の戦いを助けるために命を捧げました。

歴史の中における妻の役割

今日、世界情勢は暗くなりつつあります。多くの家庭が崩壊していっております。これを目の当たりにして、私の心は痛みます。婦人は愛を捧げて、犠牲精神を発揮しなければならないと思います。どの家庭にも、神様が臨在なさるようになれば、父母と子女は、神様の愛と希望を分かつようになるでしょう。家庭が社会の柱石となっていくことによって、私たちの国と世界は非常に美しく、神様の愛で満たされるようになるでしょう。一なる神のもとで、私たちはみな一つの家族となることでしよう。

きょうは、精神と力のすべてを傾けて、子孫のためにより良き世界を建設することを目指して、皆様方は御主人と共にここにいらしてくださいました。

皆様一人一人と、よりお近づきになれたらと私は願っております。皆様方が帰国なさいましたあとも、愛と友情を分かち合いたいと切望いたしております。

私どもの国での皆様方のひと時が、生涯の心楽しい思い出となりますよう、心から祈るものでございます。

まことにありがとうございました。

2.   理想家庭と平和世界

'このみ言は、1995年8月23日、韓国ソウルのロッテワールド・ホテルで開催された第2回「世界平和女性連合」世界大会で宣布されたものである。

内外の貴賓の皆様。「世界平和女性連合」会長団、各界の女性指導者、そして会員の皆様。私はきょう、この集まりが平和世界を実現しようとする私たち全員の念願がかなうのを早める重要な契機になることを信じながら、この壇に立ちました。世界各地で献身的に奉仕しながら、より平和な社会と世界を建設するために歩む皆様の労苦に感謝いたします。

地上に平和世界を成し遂げることが、簡単でしょうか。それは歴史を通しての人類の夢でした。この夢が達成されるためには、まず平和な国と世界が先に形成されなければなりません。平和な国と社会は、むつまじく楽しい家庭が前提とならなければなりません。このように見るとき、和やかで楽しい理想的な家庭は、すなわち平和世界を築く出発であり、基本単位になるのです。

真の愛を基盤とした理想家庭

理想的な家庭は、どのようなものでなければなりませんか。神様の理想世界に対する計画は、創世記に記録された祝福のとおり、アダムとエバが善の夫婦、善の父母となり、理想的な家庭を築くことでした。その家庭を根源とし、子孫が父母に似て、理想的な家庭を永続的に築いていくことを願われたのです。

私の夫である文鮮明総裁の教えによれば、神様は真の愛の本体であられます。神様の根本属性である真の愛を動機として、創造が始まったのです。神様の真の愛は、愛してために生きる対象を必ず求めるからです。神様の創造の動機は真の愛です。被造万物は、神様が愛するために造った実体対象です。その中で人間は、神様と最も近い関係にある愛の対象です。神様は人間の真の父母であり、人間は神様の真の息子と娘です。神様と人間は、真の父母と子女の関係です。

本来、人間は父母の愛を受けて子女の心情を体恤しながら育ち、その次に兄弟同士で愛し合いながら、兄弟の心情を体恤して育ちます。成長して真の人格を備え、完成した真の人になれば、夫婦生活を通して互いに愛し合うことにより、夫婦の心情を体恤するようになります。被造物はすべてそうですが、特に人間は、真の愛を感じ、真の愛の生活をするようになるとき、幸福になるのです。

愛を受けるとき、生命力が躍動します。生命の香りも愛の中で漂います。愛は人間の幸福と生命と喜びの源泉になります。このように貴い真の愛は、知識や外的な要因によって得るものではありません。経験を通して感じ、生活を通して体恤するようになっているのです。

このように人間は、成長期間に生活と経験を通して、神様の真の愛を段階的に体恤するようになっていました。すなわち、人間は子女の心情、兄弟の心情、夫婦の心情、父母の心情など、四大心情を段階的に体恤しながら完成するのです。人間の人格と幸福の尺度は、愛をどのように、またどれほど感じ、与え合うかによって区分されるのです。

夫婦愛における自律と責任性

四大心情の関係において、縦的な愛、すなわち父母の子女に対する愛は、第一子、第二子と続きながら分けて与えられても、その完全性は減少したり、変わったりはしません。そのため、一組の夫婦が何人もの子女を生んで愛することができるのです。

お一人の神様が、全人類を子女として対し、愛されるのも、この原則があるからです。しかし、代表的な横的愛である夫婦間の愛は、他の相手に向けるなら完全な愛になれません。夫婦間の愛は、分けるならばすぐにその完全性が破壊されてしまうのです。万人の本性は、夫婦間の愛の中に第三者が介入することを許しません。神様の創造の原則は、夫婦間の愛が他の相手に向かって裂かれることを許さなかったからです。

神様は人間に、他の動物とは違って、夫婦間の愛の自由を下さいました。子を産むときにだけ関係をもつ動物の愛とは、根本が違うのです。

責任のない自由は、本当の自由ではありません。夫婦間の愛にも責任性が求められるのです。夫婦が愛の神聖性と永遠性を信じる基盤の上で、互いの責任性を守るとき、初めて家庭が安定するだけでなく、幸福の住み家となるのです。人間はこのような、分けることもできず,否定することもできない夫婦の愛を通して、息子、娘をもつようになっていました。本然の人は、真の人として育ち、その次に、分けることのできない愛によって真の夫婦となり、子女をもって真の父母になるようになっていたのです。

堕落と愛の秩序

聖書を読まれた方は御存じかもしれませんが、人間の先祖は、神様が喜ばれ、祝福してくださる結婚をし、そこから神様の愛を受ける息子、娘である子孫を繁殖したのではありません。アダムとエバは、既に神様に対して罪を犯し、楽園から追い出されたのちに子女を生んで、後代へと繁殖してきたのです。アダムとエバは神様が願われる真の夫婦にも、真の父母にもなれませんでした。私たち人類は、真の父母と真の家庭を根源として生まれた子孫になれなかったのです。本性としては夫婦の愛が永遠不変であることを願うにもかかわらず、そのようになれないのは、人類の先祖の堕落の根源が偽りの愛の因縁、不倫によってつくられたからです。原罪が子々孫々に遺伝し、「終わりの日」に近づくほど性道徳が乱れ、家庭が破壊されるのも、すべてそのためです。

神様が最も嫌われるのが、愛の法度に背き、倫理的に誤ることです。洋の東西を問わず、次第にひどくなっていく青少年の脱線、家庭破綻、10代の未婚の母の問題などの現象を、誰が解決するのでしようか。このような現象は、飢餓や戦争、どのような疾病よりも、さらに恐ろしいものです。なぜならこの問題は、今日の私たちの問題だけでなく、子孫の問題として、人類が未来に対する希望を失うものだからです。今日の絡み合った愛の秩序は、子孫に直接的に影響を与えるのです。

子女の情緒教育

家庭は、子女の内的成長に決定的な要素を提供します。子女の基本的な性稟と生活態度は、家庭で形成されるのです。赤ん坊は愛を感じる天賦の素質をもっています。非常に幼い頃から、母親の愛情あふれた懐を他の女性の懐と区別できるのです。父母の愛と兄弟の愛を自然に体得して育ちます。人の情緒と性格の大部分は、赤ん坊のときの家族関係を通して体得され、愛情と幸福感が基礎となって形成されるのです。

子女の目に映った父母の生活、特に愛の関係は、その子女の情緒生活に決定的な影響を与えます。天道によれば、父母は、子女にとって真の父母になるとともに、真の師になるようになっています。赤ん坊にとって最も重要な教えは、知識教育や技術教育ではありません。

家庭で父母がすべき心情(情緒)教育と規範教育が重要です。この人生の根本教育は、父母が家庭を土台にしてこそ可能です。赤ん坊は最も貴い愛情と基本秩序に関して、父母が見せてくれるとおりに学び、あるがまま感じて似るのです。子女は、彼らが従い、習うことのできるモデルが必要です。父母が自ら子女に対して最も重要な師になることを自覚するかしないかに関係なく、子女は既に父母のものをまねし、学んでいるのです。人生の正しい出発をするにおいて、父母以上に重要な師はいないのです。

父母の愛の結実体である子女は、自分の父母が最も理想的な愛の夫婦であることを願います。その愛の関係の中で、幸福を感じるのです。子女にとって、父母の離婚は受け入れ難いことです。なぜなら、子女は父母の愛に同参(一緒に参加すること)した、同参者だからです。子女にとってその父母の愛は、自分自身の根源であり、根だからです。自分の存在基台が破壊されることを、本性が許さないのです。

父母と子女の関係が変わらない天倫の関係であるとすれば、どうしてその動機であり、根となる夫婦関係が永続的な天倫の関係になり得ないと言えるのでしょうか。不倫と家庭破壊、そして性道徳の紊乱は、天道に背く大きな過ちです。このような現象は、神様が願われず、人間の本心も願わない、堕落の結果なのです。

子女は父母の愛に同参した存在

世界の女性指導者の皆様。今日の混濁したこの秩序を、どのように収拾するのでしょうか。人類は道徳社会、人が人らしく暮らす社会、正しい価値観のもと、明るい未来を保障できる社会のために、たゆまず努力してきました。それにもかかわらず、勢いよく押し寄せてくる反倫理やフリーセックスなどの天道に背く堕落の風潮は、日がたつにつれてひどくなっています。エイズの問題も、単純な病魔ではなく、人類の子孫と未来に関わる深刻な問題です。このような問題は、学校における師の教えによっても、父母の説得によっても、国家の行政的措置によっても、根本的な治癒がなされずにいます。既に実験は終わりました。

もはや、人ができる治療方法を探す時は過ぎ去りました。宗教者でなくても、救世救民の道理を天から探し求めるべき切迫した状況です。このために、神様はメシヤを送られます。メシヤは真の父母として来られなければなりません。天道に逆らった不倫の現実社会を根源から治癒しなければならないからです。

人間の先祖、アダムとエバが真の父母になれず、堕落の先祖になったので、アダムとエバに代わって真の愛、真の生命、真の血統の根源者として真の父母が来てこそ、解決されるのです。真の父母はサタンを屈服させた真の愛、真の夫婦、真の父母の手本をお見せになり、全人類を教育されるのです。理想家庭のモデルをつくられ、地上に天国である平和世界、愛の世界を築くでしよう。これが神様の救援摂理の根本です。

神様は、私の夫である文鮮明総裁をメシヤとして送られました。夫は、神様のみ旨、創造理想をこの地上に回復してさしあげるために、生涯を捧げて歩んでいます。世界的に理解されない中で、罪もなく罪人の扱いを受けました。

真の父母と理想家庭

私は、聖人の道が何よりも困難で、口惜しい道であることを最も近い立場で見つめながら、毎日のように胸が詰まるのです。夫は、あらゆる苦難と迫害を受けながらも、その歩みが止まることはなく、真の愛の道理を教え、実践によって模範を見せてきました。また霊的には、サタンと血のにじむ闘いをしてきたのです。

サタンは、自らが享受している非原理的な偽りの愛の主権を奪われないようにするため、夫を総攻撃するのです。霊的にも肉的にも、サタンが讒訴できない勝利の基台を築いた上で、私たち夫婦は真の父母の使命を遂行しています。

愛する女性指導者の皆様。今回の第2回「文化体育大典」は、これまで私の夫が愛の統一世界を成し遂げるために献身してきた多くの運動が結集したものです。「世界平和女性連合」をはじめ、「世界平和家庭連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和連合」、「世界平和青年連合」などの機構は、すベて平和世界を成し遂げるためのものです。

この期間において、これらすベての機関と「国際文化財団」などが主管する多くの会議と行事は、人の本性を悟らせ、歴史を先導し、人類の未来に希望を与えるでしょう。特に(1995年)8月25日に挙行される国際合同祝福結婚式は、歴史的な行事です。この地において、誰がこれをまねできるでしょうか。

五大洋六大州の160ヵ国において、皮膚の色と文化を異にする36万双が、共に神様の祝福を受け、理想家庭を築くための新しい出発をするのです。平和世界の基盤となる愛の理想家庭を目標とした、神聖な行進が始まるのです。神様が願われる真の愛の文化、心情文化の主役が誕生し、善の子孫が約束される神聖な行事です。

理想世界と女性の役割

私は「女性連合」の創設当時から、天運と歴史が求めるのは愛と奉仕の生活であり、理想家庭を通した平和な世界であると強調してきました。今まで男性が主導してきた世界における誤った愛の秩序と堕落の実状は、果敢に清算しなければなりません。不倫と憎しみ、そして自己を中心としたあらゆる不正は、切り取らなければなりません。女性は自覚をもった心で、この世界の誤った慣行を、整理していかなければなりません。

女性が既存の文化と慣習の秩序の中で男性をまねし、またその中で女性の立場を高めようとすることが、「世界平和女性連合」の目標になってはいけません。女性は天道に従って真の父母に侍り、新しい心情文化世界を形成する主役にならなければなりません。堕落の属性を根本的に脱ぎ捨てて、新たに成し遂げる本然の文化、人類の本性が訪ねてきた愛と善と平和の文化を花咲かせなければなりません。

今から女性は真の父母と接ぎ木して、真の家庭を生み出すべきであり、真の社会と真の世界をつくっていくべきです。そのためには、皆様が真の母の分身にならなければなりません。到来した女性時代とともに、すべての女性は真の愛で男性を指導する、新しい時代の先駆者にならなければなりません。家庭でも真の愛の化身として、夫を抱き、子女を真の父母の心情で養育すベき使命があるのです。

神様の愛の祝福がとどまり、本然の愛の秩序が立てられた家庭を、誰が築きますか。真の父母と連結された、私たち女性の使命です。私たちが先頭に立って成し遂げなければなりません。真の愛による本当の女性解放と真の平和世界を成し遂げるために、皆様全員が主役になってくださるようにお願いします。

皆様と皆様の家庭、そして皆様の活動に神様の祝福が共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。

Luke Higuchi