214.韓鶴子総裁御言選集2 理想家庭と平和世界のモデル

第14回
第1部 真の愛運動と女性の役割

16.    「アベル女性国連」創設宣布と平和世界の創建

*このみ言は、2012年10月27 日、アメリカ、ラスベガスで開催された「アメリカ世界平和女性連合」創設20周年記念式で宣布されたもので、文善進世界会長が代読した。

尊敬する世界各大陸および全米50州からお越しになった内外貴賓、平和指導者、女性代表、そして親愛なる「世界平和女性連合」の会員の皆様!きょうここアメリカのラスベガスで「アメリカ世界平和女性連合」創設20周年を記念して開催される歴史的な「アベル女性国連アメリカ大会」に参加された皆様を、天上にいらっしゃる私の夫、文鮮明総裁と共に温かい心で歓迎いたします。

まずは2012年9月15日に韓国で挙行された文鮮明総裁の聖和式の際に、全世界194ヵ国の700万人の指導者の皆様が送ってくださったこの上ない愛と尊敬、そして慰労の弔問と参拝に、深く感謝申し上げる次第です。

文総裁は、かつて人類の救世主、真の父母としてこの地に来られ、神様の摂理的目標である創造本然の理想世界のビジョンを満天下に宣布して、この地球星にこれ以上葛藤と戦争がない永遠なる平和世界を創建するために、全力投球、死生決断の人生を送ってこられました。

2012年7月16日にも、アメリカで多忙な日程を終えられ、摂理史的に神様の祖国として宣布した韓国に到着するとすぐに、世界194ヵ国の女性の代表や指導者をはじめとする2万5000人以上の内外貴賓が清心平和ワールドセンターに雲集する中で、新たな時代における平和世界の創建の主役となるべき機関としての「アベル女性国連」の創設大会を開催されました。

愛する世界女性指導者の皆様。その大会が、文総裁が地上で主催された最後の摂理的行事となり、活動となりました。その後50日余りの間、地上の摂理を整理された後、「今やすべて成し遂げました!」という最後の祈祷を捧げ、天上へと聖和されました。

愛する世界女性指導者の皆様。これから皆様は、私と共に文総裁が最後に主管された「アベル女性国連」創設の摂理的な使命を成し遂げるべき重い責任があるということを肝に銘じてくださるよう願います。皆様もよく御存じのとおり、国連は、第二次世界大戦が終わり、世界人類が悲惨な戦争の惨禍の中で耐えきれぬ苦痛に遭いながら、これ以上この地に戦争があってはならないという切実な平和の念願が込められ、神様のみ旨によって創設されました。

しかし、今日の現実はどうでしょうか。過去60年を越える国連の歴史の中で、朝鮮戦争をはじめとする数多くの局地的な戦争を防ぐことができませんでした。冷戦は終息しましたが、今も世界の随所では、貧富間の葛藤、人種間の葛藤、さらに宗教間の葛藤によって、大小の戦争が絶え間なく続いています。結局、国連は創設趣旨である究極的な世界平和維持という本然的な使命を果たせないまま、挫折を繰り返しているではないでしょうか。

創設当時から国連は、冷戦の対決構図におけるアメリカとソ連の妥協的な結果物であったので、個別的な国家の利益を超越した究極的な世界平和の具現にあたり、限界をはらんでいたのです。したがって、文総裁と私は、神様のみ旨から見て今の国連はカイン的な位置を抜け出せずにいると公表しました。それゆえ、創造本然的な世界平和の永遠なる定着のためには、国連の改革が絶対的に必要であると主唱しているのです。

尊敬する平和指導者の皆様。しかし、今の国連は、問題の解決のためにそれぞれの国家利益を調整する段階から壁に突き当たり、一歩も前進できずにいるのではないですか。そのため、現在まで歴史的に男性中心のGO(Governmental Organization: 政府機関)に依存してきた世界平和定着の限界を克服するために、これからはNGO(Non-Governmental Organization:非政府組織)を中心として、女性平和運動が現場の問題を解決する新しいシステムとして定着しなければならないと主唱するのです。そしてこの女性平和運動は、個人や一つのNGOの次元では成し遂げることができず,全世界的な組織との連帯によってのみ可能なのです。それゆえ、きょうのこのアベル女性国連の創設を基点として、女性平和運動が「グローバル・ウイミンズ・ピース・ネットワーク(Global Women's Peace Network:GWPN)」として現場に定着することを願います。

振り返ってみますと、きょうこのように「アベル女性国連」の歴史的な創設大会が開かれるようになったのは、文鮮明総裁と私が共同で、1992年4月、ソウルの蚕室のオリンピック・メーンスタジアムにおいて、世界70ヵ国以上の女性代表と15万人を超える韓国の女性たちが雲霞のように集まる中、「世界女性時代の到来」を宣布し、天意に従って女性平和運動の中枢機関として「世界平和女性連合」を創設したのがその出発でした。

「世界平和女性連合」の創設は、決して一つの女性団体をつくって残すことを目的としたのではありません。それはフェミニズム、男女平等、女性労働運動など、主に男性を相手とした、外向的で、政治的で、闘争的な、世俗的女権回復の運動ではなく、神様の創造理想世界の実現という摂理史的意義をもつ、新たな次元のグローバルな平和運動です。

このような創立の摂理史的意義をもって出発した女性連合は、「ため」に生きる真の愛の模範的な実践運動を全世界に展開しなければならないという文総裁の創設メッセージの精神にしたがって、過去20年の間、地球村の至る所で、人種や宗教、言語、国境の障壁を越え、「純潔な愛、幸せな家庭、平和な世界」の理想と平和ビジョンを実現するために、多様な活動を展開してきました。特に、真の母性愛を土台とした真の愛の家庭を確立する運動や、女性の地位向上のための多様な教育プログラムおよび支援と奉仕活動、そして国際的な葛藤解消と和解運動を展開しながら、目覚ましい発展と成長を遂げました。

また、1993年9月に行われた私のニューヨーク国連本部での特別招請講演を契機に、「世界平和女性連合」は3年にわたる努力の末に、国連経済社会理事会NGOの最高地位である「第一領域NGO諮問機関」の地位を獲得し、それ以降、4年ごとに活動実績の評価を厳正に受け、その地位を3回連続して再承認を受けるという快挙を達成してきました。3400以上の国連NGOの中で、このような最高の国連NGOは、たった140団体しかないのですから、より一層その価値を認められていると考えられますので、これまでの皆様の労苦に感謝申し上げます。

1997年から私の指導のもとに、毎年、1年も欠かさず開催している「中東女性平和会議」も、中東20ヵ国以上の女性指導者の多大なる関心と参加の中で、徐々に具体的な現場活動へと拡大発展しながら、中東の女性指導者による、宗教の葛藤を越えた人権と平和のための活動の求心点となりつつあることは、実に大きな成果であると言えます。

2012年6月にも、ジュネーブにおいて、国連人権理事会と合同で「災難と葛藤で苦しむ子女たちのための対策」という主題をもって、中東の18ヵ国の女性指導者と、ジュネーブ駐在の各国の大使をはじめとした外交官、国連機構の代表、そして世界的なNGO代表など、180人以上の参加者が真摯に懸案を討議し、その合意内容を現場の活動につなげることを決議したとの報告を受けました。

また女性連合のすべての組織では、地球村各地の自然災害と飢餓問題の解決のために、積極的に支援活動をすることはもちろん、特に女性連合の世界本部である韓国において、北朝鮮の子供と女性のための支援事業として「私たちが持つもののうち、小さなものからでも分かち合おう」というスローガンのもと「地球家族愛1パーセント運動」を展開し、韓国と北朝鮮の和解運動においてたくさんの実績を収めていることをうれしく思います。このように女性連合が創立以来、国連のNGOの最高地位である「第一領域諮問機関」の地位に至るまでに、初心を忘れず、変わらない心で、黙々と女性平和運動の道を開拓してこられた会員の皆様と、激励と参与を惜しまなかった女性指導者の皆様に限りない感謝の拍手を送る次第です。

しかし、女性連合が中心となって繰り広げてきた世界平和運動は、この段階にとどまるわけにはいきません。一段階さらに発展させ、全世界の女性指導者やNGOと連携して力を合わせ、究極的平和世界創建の道に邁進しなければならないのです。そのためには、女性連合が女性NGOの次元を超え、全世界の政府や団体、個人を一つにまとめて共に前進するアベル女性国連という大きな機構の創設が絶対的に必要であり、これは神様の摂理的な絶対命令なのです。

私は、今日、このような天宙史的で革命的な変化の時代を迎え、全人類の半分を占める世界の女性たちが、このような歴史的使命を認識し、活動の幅を全地球的な領域に拡大するために、「アベル女性国連アメリカ大会」を開催するに至ったことを、心より祝い、激励する次第です。

愛する女性平和指導者の皆様。今日、人類の行くべき道はどこにあるのでしょうか。結局、人類の諸般の問題は、真の父母である私たち夫婦が、天より授かり、生涯をかけて主唱し教育してきた「一つの神様のもとの一家族」思想、すなわち神様を中心とした真の愛の教えによって解決するしかないのです。この思想こそが、人類に平和と幸福の道を探し出してくれる唯一の道だからです。

今日、私たちが生きているこの時代は、歴史を変え、霊界と地上界を一つにし、神様が太初より願われた理想天国をこの地上に創建しなければならない歴史的な天宙的大革命期です。これ以上、延期したり延長したりするような時間はありません。天は既に2013年1月13日を「基元節」として宣布しました。したがって人類は、これから天命に謙虚な姿勢で従わなければならない時です。天上で摂理を経綸なさる平和の王であられる人類の救世主、真のお父様と、地上の真のお母様の導きに従い、残された期間を、全力投球、死生決断をしなければならない宿命的な時が、今日、私たちの前に近づいてきたことを肝に銘じてください。

愛する女性指導者の皆様。今や人類の行く道ははっきりしました。天が真の父母様を通して明らかにしてくださった「Dデー」を前に、躊躇することがあるでしょうか。もう3力月も残っていません。皆様のアベル女性国連を中心とした平和世界創建の多忙な前途には、天の祝福が共にあるでしょう。しかし、アベル女性国連が何よりも優先すべき運動は、正しい価値観の教育と、よりために生きる真の愛の真の家庭運動であることを、もう一度強調したいと思います。戦争や葛藤は、利己的な動機から、領土や財産など、他人の物を奪おうとするときに起こるものです。その反面、平和は、他人のために自身を投入するとき、すなわち真の愛を与えるときにやって来るのです。

新しい世界的現実から顔を背け、直視できない指導者は、荒波のように押し寄せる変化に洗い流されてしまうでしょう。今、私たちは、新たな機会と価値観を迎えるに当たって、果敢に進んでいかなければならない時であると確信します。

愛する女性指導者の皆様。女性は、男性の補助者や保護の対象ではなく、神様の片方の一性を代表した立場で、むしろ男性を全きものとしてあげる独立した人格者です。また真の愛の理想を中心として、女性は男性の貴い愛の対象者です。価値的から見て、男性と女性は絶対平等な存在なのです。

本然の真の愛で一つになった男性と女性は、互いに同じ地位に立つ同位権をもつようになります。また、いつ、どこでも共にいる同参権をもちます。さらには互いのものを第二の自分のものとして共有する、理想的な相続権を得るようになります。このように神様の真の愛の理想のもとに一つになった男性と女性は、同位権と同参権だけではなく、互いのものを自らのものとして共有することによって、真の愛を中心として価値的に完全に平等な存在となるように創造されました。ですから、男性と女性は、互いに相手の特性と気質と役割をまねたり、それを羨んで奪ったりする対立と敵対の関係ではありません。真の愛で自分のものを相手に与え、相手側をさらに完成させてあげながら、より大きな次元で一つになることによって、互いに共有する関係です。そうして21世紀には、女性は男性と共に世界史の主役となり、平和世界のための牽引車の片方の車輪を担当しなければなりません。力と技術の世紀ではなく、愛と平和文化の世紀を創建していく中心において、女性の役割は一層重要になりました。真の自由と平和と幸福があふれる統一の世界を建設する、真の母の道、真の妻の道、真の娘の道、そして真の女性指導者の道を行く皆様となってくださることをお願いいたします。

文総裁は私たちに、「正午定着」の生活で影のない人生を生きていくことを強調されました。私たちがみな発光体となり、光を与える人生を送るなら、影のできる隙がありません。受け取る者は負債を負う者です。皆様はこれから過去の借金を返すために、哀れで貧しい者の涙をふいてあげ、暗い所を照らしてあげる永遠なる真の愛の発光体となる人生を送るよう願います。最後まで傾聴してくださった皆様と皆様の家庭と事業に神様の祝福が共にあることをお祈りいたします。ありがとうございました。理想家庭と平和世界のモデル

Luke Higuchi