天聖経: 第163話
日本語のオーディオはしばらくの間、お休みさせて頂きます。皆さんご迷惑をお掛け致しますが、各自訓読なさるか、もしくは、英語版を聴きながらの訓読の程、よろしくお願い致します。ーゴデイブルチームー
第六篇 真の万物
第二章 宇宙の根本と秩序
第四節 万物の創造と進化 7-20
7 主体と対象が作用して、現在よりも劣るようになるのなら作用せず、より良くなることを発見すれば作用する、というのが原則になっています。そのように見れば、進化するにおいても、より良くなるという何かの目的をもつことができなければ、発展できません。発展するためには、横的により強い力が加重されなければならないのです。そうでなければ発展できません。その力は、作用することのできる目的と対象がなければ絶対に出てこないのです。
8 進化論を解決しなければなりません。進化論の概念と実在は、共産主義が利用するのです。見えないものが貴いのです。神様が見えますか。良心が見えますか。愛が見えますか。人間にとって最も貴いのはこの三つです。見えない三つの貴重なものが神様、良心、愛です。
良心があるというのはみな知っているでしょう。「良心はない」と言う人がいますか。「愛はない」と言う人がいますか。目には見えません。見えないのでどこにでも入っていくことができ、どこにでも一つになれるのです。見えれば、入っていけますか。見えないので細胞の中にも入っていけるのです。通じない所がないということです。そのような論理の根源を探すことができます。愛だけは誰も制止できないのです。真の愛は、宇宙が制止できず、妨げることができないのです。
9 宇宙の根本は何でしょうか。進化論でもなく、創造論でもありません。進化と創造の概念がある前に、雄と雌がいたことを知らなければなりません。雄と雌が生まれたのは、愛のためです。これが公式です。愛のために男性がいて、女性がいるのです。男性が男性世界で愛を探すことはできません。女性が女性を中心として愛を探すことはできません。女性が男性を探すところから、男性が女性を探すところから、愛を見つけることができるのです。
宗教と科学の統一
10 神様が人間に総括的な統一理念を成就する責任を負わせてくださったため、人間は自然を研究する自然科学を一つの統一科学形態に発展させてきているのであり、宗教を通じて心の世界を糾合してきているのです。十六世紀後半には、宗教と科学が分かれましたが、終わりの日である今日に至っては、再び一つの目的を達成できる帰一段階へと越えていっているのです。
11 今日の科学の発達、すなわち科学を中心として出てきた現代文明というものは、統一的な外的理念を成就してきています。それが世界的な統一の理念圏にまで進んできています。内的な面において、言葉で明らかにする科学文明ではなく、心で明らかにする宗教、すなわち人間の本性と性稟を明らかにする宗教と、全人類が一つになれる内的な世界を建設する使命を完遂しなければなりません。
今日、宗教と科学は、互いに対立する立場に置かれています。しかし、原則はそうではありません。終わりの日には必ず、体を造ったあとに命の息を吹き入れて、神様の代わりに立てるアダムを造られたのと同じように、歴史の終末的な現象も、そのように帰一しなければならないのです。
12 科学は結果的な世界を探る論理であり、宗教は心情に通じる分野であり、思想は今までの文化史を中心とした論理です。この三つの系統が伝わってくるのですが、これがすべて別々になっています。宗教は宗教なりに、科学は科学なりに、思想は思想なりにすべて別になっているというのです。神様はお一人であるため、これを互いに分けておくことはできないというのです。終わりの日になれば、神様を中心として宗教と科学と思想が一つにならなければなりません。
13 宗教的最高の頂上から科学的最高の頂上に通り、思想的最高の頂上まで連結できる、地上に現れている一つの思想体系において、宗教の理想的な基盤となっているところは、統一教会しかありません。ですから、神様が統一教会を通して代わりに役割を果たさせるという論理的結論が出てきます。これは人間がするのではありません。神様が今の時代において科学をこのように急激に発展させ、宇宙科学まで発展させたのは、宇宙を主管するための思想的な変革時代に入ったからです。科学がこのようになったのは、宗教的統一圏を、宇宙を含む統一圏に拡大するからです。そのようにしなければ、宗教と科学と思想が一つになることができません。
14 神様は、宗教的真理の根源であるだけでなく、科学的真理の根源でもあります。神様は、最初の説教者であると同時に、最初の科学者でもあります。先生はこの事実が宇宙の根本真理だということを固く信じており、先生の生涯の課業はこのような仮定に基づいたものでした。生きていらっしゃる神様の使徒として、先生は全被造世界に実体的、霊的に明らかに現れて示される神様の存在の本質的なすべての面を、より広く、深く、明確にし、統一しようと試みてきました。
15 科学の目的は、人類の外的な夢を実現するところにあります。ところが、過去においては、科学が民族的、国家的障壁に遮られ、素晴らしいものが発明されても、それが直ちに人類全体の福祉に寄与できない場合がたびたびありました。ときには、科学文明にも国境がなければならないという主張もされました。しかし、科学文明は本質的に人類全体のものでなければならず、ある特定の国家や陣営の専用物であってはならないのです。
16 過去、数世紀の間、科学はあまりにも分析的方法に傾き、多くの部門が専門化され、科学の細分化現象が起こったのは事実ですが、最近は総合的な方法によって細分化された知識を総合、統一する希望的な傾向が現れています。統一科学は、その際立った例だと言えるでしょう。いずれにせよ、今日までの科学が、たとえ細分化現象があったとしても、すべての部門がそれぞれの立場で福祉世界の実現という一致した目標、一致した方向を目指してきたのは事実であり、またこれからもそれを目指して進んでいくことを信じてやみません。
17 科学は、人間生活において単に手段であり、目的にはなり得ません。人生の目的は、神様の創造目的を実現することにあります。人間は霊と肉の結合体です。したがって、人間は、肉的生命を土台にして価値のある人生、すなわち愛と真理と善と美の生活をするようになっているのです。便宜的に言えば、科学技術は霊的生活に一致し、肉的生活に必要なものです。
ですから、価値のある生活を強調しなかったり無視したりする科学は、かえって価値観の破壊をもたらし、今日のような恐怖と不安の現実へと導くのです。この不安な現実において人間を救うのは、真の価値観を追求し発展することによってのみ可能です。ですから、科学は言うまでもなく、絶対価値に起因したこの価値観に一致しなければならないのです。
18 絶対価値は、どこにおいて発見できるのでしょうか。それは、神様の愛においてのみ探し出すことができます。神様の愛による美と真理と善が、正に絶対価値です。結局、科学技術の悪用による被害から人間を解放するのは、科学自体が神様を認識し、神様の愛と同じ方向にその技術を活用するとき、可能となるのです。
19 神様には、メシヤを再び送る前に、必ず成就すべき二つの重要な宿題があります。その一つは、高度な物質文明の発達です。神様のみ旨が成就されるということは、すなわち地上天国が成就されるということですが、それは霊的天国だけを意味するのではなく、肉的天国、または物質的天国も意味します。ですから、メシヤの降臨とともに成就される高度な精神文明を収める器、いわゆる高度な物質文明の世界を準備される必要があります。
さらには、神様の理想では、世界が一つの国なので、その世界が科学の発達によって交通と通信手段が高度に発達し、全人類が一日生活圏の中で暮らすということは、地上天国建設においてこの上なく重要な要素です。これは、統一世界文化創造に必要不可欠な条件なのです。
20 科学は、人間の物質的生活を改善するのがその本分であるため、統一科学は実践面において、以前よりもさらに効果的に、物質的生活の改善に寄与するでしょう。しかし、本然の人間が精神と肉身の統一体であるように、社会生活も物質と精神の統一的生活であり、理想世界も愛と創造の統一的世界であるため、物質的生活の改善だけでは真の幸福の世界は実現できません。
ですから、統一科学は、その役割を完全に果たすため、不可避的に統一思想と再び一つに合致せざるを得ないのです。このような合致が成し遂げられるとき、長い間の宿題であった宗教と科学の統一が実現され、名実ともの福祉世界、幸福な世界、善の統一世界が形成されるでしょう。