天聖経: 第46 話
第二篇 真の父母
第三章 真の父母と重生
第三節 長子権・父母権・王権復帰 10-23
10 カインとアベルの時もそうでしたが、エサウとヤコブの時にも二人が腹中で争いました。そのとき、二人の子供が腹中で争うので、「こんなことでは、わたしはどうなるでしょう」(創世記二五・二二)と言ってリベカが神様に祈ると、神様が、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」(創世記二五・二三)と、このように知らせてあげたのです。次子を通して長子復帰をする闘いの路程を経ていかなければなりません。
11 エサウとヤコブの兄弟が双子で生まれたので、心情圏においてはすべて通じるのです。双子は、弟が悲しめば兄も悲しむようになっています。それほど通じるのです。そのような近い立場である双子を中心として復帰するのです。復帰は誰がするのかといえば、母がしなければなりません。堕落して、母がカインを生んだので、復帰過程でも、母がしなければなりません。母子協助を中心としてしなければなりません。ここにおいて母は、ヤゴブを中心としてエサウを欺いたのです。
12 母子が協助することによって、長子権を取り戻すのです。兄エサウが狩りに行って帰ってきたとき、弟ヤコブにパンとレンズ豆のあつもので長子権を売ったので、復帰の条件に引っ掛かったのです。売ったため、実際に行動をするときには屈服しなければなりません。売っていなければ、欺くことができません。条件がなければできません。ここで初めて、イスラエルという名前をもつ契機になったのです。初めて長子権を復帰したイスラエル圏になったのです。
双子の兄弟を中心として入れ替えたのですが、まだ腹中では入れ替ることができていませんでした。それで、どのようなことが起きるのでしょうか。その条件を立てたのはヤコブの四番目の息子のユダです。ユダには、息子が三人いました。また、その長男の嫁がタマルという女性です。タマルは、神様の祝福を受けた血族がどれほど貴いかを知っていました。それで、その血族を受け継ぐためには、どのようなことでもしようとしたのです。
13 タマルが懐妊した二人の子供が争うので、神様に祈ると、神様は、エサウとヤコブの母リベカに言った言葉と全く同じように、「お前の腹中には二つの国があり、大きい者が小さい者に侍るだろう」とおっしゃいました。このようにして、ペレヅとゼラが生まれました。ところが、兄であるゼラの手が先に出てきました。ゼラの手が先に出てきた時、産婆がその手に赤い糸を結びつけました。これは、後代に関することを印で見せてくれたものです。後代に必ず共産主義が出てくることを予告したのです。長子の権限を回復できるペレヅが、腹中で兄を押しのけて先に生まれることによって、ここで初めて次子が長子復帰をするようになるのです。それで、押しのけて出てきたという意味でペレヅという名前をつけてあげたのです。このように、リベカの伝統歴史、タマルの伝統歴史、すなわち血統転換の闘争路程を通して、腹中で長子を次子にし、次子を長子にすることによって、ここで初めてイスラエルの歴史過程における長子権が始まったのです。ですから、常に神様が助けることができるのです。これを滅ぼそうとすれば、天が打つのです。イスラエルの歴史は、イスラエル民族を打とうとするすべての異邦の民族を、無慈悲に打った歴史です。
長子権復帰は愛によって
14 自分が勝利しようとすれば、出ていかなければなりません。出ていって長子権を復帰しなければなりません。その長子が、弟の次子を兄として侍り、「祝福はお前によって受ける」と言えるようにならなければなりません。そうして、長子が次子の立場になり、次子が長子の立場に上がらなければなりません。そうして長子が、「お前が私の代わりに上がりなさい」と押し上げてこそ、長子権氏族から長子様民族へと進むようになります。このようにして一段階ずつ上がっていくのです。長子が代わりに押し上げてくれてこそ、上がっていくのです。そのままでは上がっていけません。このような原理的な内容があるので、長子権復帰基準を完成しなければなりません。そのようにしなければ、神様の摂理を成し遂げることができないというのが宗教歴史の秘密です。それで、真の宗教の道を行くためには家を離れなければなりません。国を捨て、家を捨てて出家しなければならないという話は、このようにして出てきたのです。
15 サタン側はカインです。兄です。天の側はアベルです。この闘いです。神様は、長男を愛したのちに次子を愛するようになっています。カインである長男は、サタン側です。長男がサタン側になったというのです。その長男を救うために、アベルを立てたのです。アベルを立てて、長子権を復帰するのです。長子権を復帰するのに、拳で責め立ててするのではなく、愛で感動させなければなりません。愛で溶かして復帰しなければなりません。愛したという立場に立たなければ、愛して彼らが振り向くまでは、自分の息子、娘を愛することができません。神様は絶対的な神様なので、創造理想から見るとき、本来、長子が先に愛を受けるようになっているのであって、次子が先に愛を受けるようにはなっていません。
16 先生は、自分の妻よりも、子供よりも、サタン世界をもっと愛したかどうかが問題になります。妻や子供をより愛してはいけません。神様は、アベル圏を愛する前に、カインを先に愛さなければなりません。そして、カインを愛する以上にアベルを愛してはいけないのです。最初の息子をもっと愛さなければなりません。長男がサタン側に行ったので問題なのです。ですから、救援歴史がこのように長くかかったのです。血統を通して、血が系統を通して連続的につながっているので、血統を浄化して長男を愛し、その愛する位置にすべての天の側の人々が立たなければ、天国に行くことができません。ですから、救援摂理が今まで延長されてきたのです。
17 蕩減復帰歴史で、長子を屈服させる秘法とは何でしょうか。サタンは、「神様も完全な神様であり、神様が求めるアダムとエバも完全なアダムとエバなのですから、堕落していなければ、アダムとエバは、本然の天使長である私を愛するのが原理の基準です。ですから、私は堕落して悪い立場にいるとはいえ、あなた方が善良で正しい立場にいれば、私を愛したという条件を立てなければなりません。そのようにしなければ、私の前で神様の本分を果たすことはできません!」と主張するのです。それが問題です。
18 個人基準の長子復帰をしたなら、家庭基準の長子復帰をしなければなりません。そのためには、必ずサタンが迫害して命を奪おうとする最前線に出ていって闘い、愛で屈服させ、私たちのすべてのことを教えてあげなければなりません。そうして、彼らが私たちの伝統が良いことを知り、自然に心に感動を覚えて涙で悔い改め、生命を捧げてあなたのために祭物になりますと宣誓しなければ、カイン世界の祝福権を取り戻してくることができません。
19 愛でなければサタンを屈服させることはできません。天国に入っていける家庭となるためには、神様も堕落した天使長を愛したという立場に立たなければならず、神様の息子、娘の家庭も、サタンを愛したという条件を立てなければなりません。
そして皆さんが出ていって闘い、サタン世界を愛で屈服させたという条件の上に立たなければなりません。「私は怨讐をみなたたき潰したのではなく、怨讐を愛で屈服させて長子権を回復するようになった」と言わなければなりません。
20 神様は、怨讐を打ち砕くのではなく、怨讐を愛したという条件と、怨讐であるサタンを、アダムの身代わりの位置に立った人によって愛したという条件を立てなければなりません。迫害を受けながら、涙と血の汗にすべて打ち勝ち、耐えに耐えて自然屈伏させ、神様の愛を抱いて戻ってきて、初めて祝福を受けることができます。そこで、サタンは解き放ってくれるのです。「あなたはこれから天国に行ける子女になれる!」という公認を受けなければなりません。誰がサインしなければならないかというと、サタンがしなければなりません。サタンがしたあとで皆さんがサインし、皆さんがサインしたものを真の父母様がサインしなければなりません。真の父母様のサインを通してこそ、神様のみ前に立てるのです。それが天国です。
21 世界的にサタンを愛したという条件さえ立てれば、私に従うすべての人は、サタンが連れていくことができないのです。そうすれば、カインとアベルが入れ替わります。アベル圏は、今までは追われる立場にありましたが、今、天国の長子権をもってここに立ったので、愛を中心とするこの前から、サタンの天下は崩れていかなければなりません。一路後退するしかありません。ここに対峙する、何ものもありません。対峙すれば、木っ端みじんになるのです。それが原理観です。
父母権復帰
22 先生は、今まで家庭を取り戻すのに苦労し、教会を取り戻すのに苦労し、その次には、キリスト教の方向を定めるのに苦労し、滅んでいく自由世界の方向を正すのに苦労し、滅んでいく共産世界の方向を正すのに苦労しました。それで、結論は何かというと、先生によって、長子権が復帰されました。本来、アダムが堕落していなければ、アダム自身が長子権をもったでしょう。また、アダム自身が真の父母になります。その次には、アダム自身が王の中の王になるのです。
23 人間は、堕落によって長子権を失ってしまいました。天地の大きな事業と財産を相続する、その長子の権限を失ってしまいました。悪魔のために失ってしまいました。それだけでなく、神様の愛と、神様の生命と、神様の血統を中心として、天地の創造主である父母に侍ることができ、永遠の血族になるべきであるにもかかわらず、アダムが真の父母になるべき権限を失ってしまいました。堕落していなければ、一つのアダム文化です。アダム一族です。このようになれば、一つの王権なのです。