428.韓鶴子総裁御言選集4 文鮮明先生が見た韓鶴子総裁

第4巻 第28回

第7部 真のお父様の手紙

真のお母様の生涯 概観7

真のお父様の手紙

真のお父様は、第1次世界巡回の路程中、韓国におられた真のお母様と真の子女、劉孝元協会長、食口たちに自筆の手紙を送り、励まされた。休む間のない旅程でも、1965年2月15日にサンフランシスコから最初の手紙を送られ、それ以降、数十回にわたって手紙や絵葉書などを送られた。真のお父様は、それらを通して当時の巡回状況とその時々の感慨を披瀝しながら、活動を励まされた。手紙からは、特に真のお母様と真の子女、そして食口たちに対する深い愛と期待、巡回路程に対する感慨をかいま見ることができる。真のお母様や本部の幹部もまた、手紙で真のお父様に活動報告を行った。

世界巡回中に送られた真のお父様の手紙

真のお父様は、1965年1月28日に金浦国際空港を発ち、10月10日まで歴史的な世界巡回の路程を歩まれた。この期間に、日本、アメリカ、カナダ、中南米5ヵ国、ヨーロッパ17ヵ国、中東6ヵ国、アジア8ヵ国の順に訪問なさった。

真のお父様は、2月15日、アメリカのサンフランシスコから初めて送られた手紙で、真のお母様に安否をお尋ねになり、次のように言及された。「アメリカに来て、離れてみると、私たちが互いにどれほど貴い存在かを改めて感じ、互いがどれほど大きな使命を担っているかを、多くの点で体験して、感謝するばかりです。天地の責任と歴史的運命を解決しなければならないという、誰にも代わることができない一組の夫婦であることと、私たちの良し悪しによって全体が左右される、その焦点の上に立っていることは、どれほど重大な生涯の職責でしょうか。ですから、天に対しては忠孝の道理を果たし、地に対しては努力の限りを尽くし、歴史的な願いに対しては解怨成就しなければならないという立場を、末永く輝かせる夫婦にならなければなりません。」

また真のお父様は「食口たちの切なる表情と誠心を尽くす姿を見るとき、やはり天の子女たちは違うことをひしひしと感じます。その分、真の父母の立場が恐ろしいことを感じます」と召命された食口への気持ちの一端を表された。

ラスベガスから送られた2月25日の手紙では、自動車旅行の大変さについても、次のように吐露なさった。

「ただただ広い道、どこまでも続く道を、3月の1ヵ月間かけて走り、ようやくワシントンD.C.に到着する予定です。ネバダ州のほかに、いくつかの州は砂漠地帯になっていて、1週間は砂漠の地を通らなければならないというので、しっかりと気を引き締めているところです。特にアメリカで切実に感じたことは、今後の統一教会の運命は、アメリカの地と闘わなければならないということです。」

真のお父様は、旅行に疲れ、忙しい日程にもかかわらず、真のお母様を思いながら、暇を見つけられては、切ない慕わしさのこもった手紙を送られた。3月6日、アーカンソー州リトルロックから送られた手紙では、「か弱い体で責任を果たしているのを見るとき、天はさらに貴く感じられるだろうと思いつつ、遠く、太平洋を越えて韓国の地に思いをはせます。離れれば会いたくなるのが、人情の常のようです」、「お母様を連れてアメリカの地を再び訪ねることを思いつつ、しっかり養生してくれるようにお願いします」としたためられた。

切ない情と決意を込める

真のお父様は、真のお母様に送る手紙に深い愛を表されながら、「体に気をつけて、勉強もして、多くのことを祈りながら、気高い責任に対して末永く光り輝いてください」という頼みもお忘れにならなかった。それとともに、「いろいろなことを体験しながら、一緒に来ることができなかったことを本当に申し訳なく思いました」と、同行できないことに対しても、残念な思いを吐露なさった。

真のお父様は、真のお母様の手紙を受け取られ、お喜びになったことはもちろんのこと、み旨に対する新たな決意を固められることもあった。以下は、3月20日にバーモント州ブラトルボロから送られた手紙の内容である。

「先日送ってくれた手紙を、ワシントンD.C.で受け取りました。便りを受け取り、言葉にできないほどうれしく思いました。離れて連絡を取り合う事情にある中で、より深い感情と重大さを感じます。さらに、子供たちと食口たちと共に、ソウルで過ごしていたすベてのことが、いつも思い出されます。このようにして過ごしている間に、いろいろと苦労をかけることがあれば、それが私たちの間により大きな力をもたらし、絆を深く結んでくれることになると感じます。ですから、生きていく中で、大きなみ旨のために耐えて歩んできた過去もまた貴いことを、お母様も十分に体験するだろうと思います。この世にいる間、大きな責任と使命に涙しながら、勝利のために行進することが本当に貴いと改めて思うとき、お母様に対して本当に感謝することが大きく、また多いことを感じます。大きく気高いみ旨ですから、それに比例する苦労にも耐えていきましょう。」

真のお父様は、3月25日にデンバーから送られた手紙では、「手紙を書くたびに、念を押すかのように何度も書いてすみません」と、真のお母様に対して申し訳なさをほのめかすこともあり、4月16日にワシントンD.C.から送られた手紙では、「幼い子供たちのことを思います。会いたいです。時々、写真を見たりしています」と、子女に対する慕わしさも表された。

真のお母様は、真のお父様の手紙に対して一つ一つ返事を送られながら、子女たちの成長する姿や教会の状況を御報告された。真のお母様は、7月22日に送られた手紙の一部の内容である。

「天の父の推し量りに感謝いたします。送ってくださった手紙、ありがとうございます。大いなるみ旨を抱かれ、世界をあまねく御覧になる聖上であられるので、霊肉共にどれほど苦衷が大きいことでしょうか。広くあられる聖上の前に、小さな力にもならない身が心苦しく思います。お父様が常に記憶なさって送ってくださる手紙に接するたびに、至らぬ気持ちと慕わしさに、胸がいっぱいになります。お父様にとてもお会いしたく思う夜でございます。ここは、お気遣いの恩賜にあずかり、相変わらず動いております。二日前に青年たちの修練会がございましたが、大きな成果がありました。火の役事も起こり、新しく入ってきた青年食口たちも覚悟と決意を固め、夏期40日路程を歩み、何としても功績を積もうという立派な姿でした。引き続き天の導きと刺激があることを願う気持ちです。全国的にかんばつと水害の被害を受けている時なので、伝道に多少の支障がありますが、休むことなく努力してまいります。」

真のお母様は、「お父様が願われる母となることを願いながら、あなたの愛を望みながら、このへんで終わりにします。再びお会いできる時まで御健康であられ、大いなるみ旨を広げてくださいませ」と手紙を締めくくられた。真のお母様は、真のお父様に対して、いつも感謝と尊敬の気持ちを表され、天のみ旨を必ず成し遂げるべき同伴者としての決意を固められた。

Luke Higuchi