330.韓鶴子総裁御言選集3 天一国と私たちの使命

第3巻 第30回

第3部    天一国安着のための私たちの使命

14. 人類文明史を通した天の摂理と日本の使命

*このみ言は、2017年5月14日に日本・東京にある有明コロシアムで開催された「2017孝情フェステイバル in TOKYO」で宣布されたものである。

尊敬する内外の貴賓、愛する平和大使、家庭連合の会員、食口の皆様!「母の日」のきょう、皆様の美しい気持ちをありがたく受け取ります。

きょう、私は、「人類文明史を通した天の摂理と日本の使命」という題で、皆様にお話をしようと思います。先ほど、多くの方々が祝辞を通して、今日の世界は暗澹とした、暗闇の世界であると述べました。主人がいません。そのような点で、私たちは歴史の真実を知らなければならないのです。

太初に、神様は天地万物を創造し、人間の先祖になりうるアダムとエバを創造されました。そして、アダムとエバに責任を与えられたのです。それは正に、神様が成し遂げようとされた夢でした。しかし、成長過程において、過ちが起こりました。そうして、神様は再び人間の先祖を探し求める、蕩減復帰摂理をせざるをえなくなったのです。

サタン世界において民族を立てて、御自身が願われる真の父母となりうる人物を送るまで、4000年かかりました。どれほど大変であれば、そのように多くの時間がかかるのでしょうか。(神様は)4000年ぶりに、御自身が直接対する事の出来る独り子、イエス・キリストを送って下さったのです。

しかし、どのようになりましたか。責任を果たすべきマリヤが、責任を果たせませんでした。ザカリヤ家庭、ユダヤ教、イスラエル民族も、責任を果たせませんでした。

天は4000年という長い歳月をかけて、カイン圏世界の版図を大きく築いておかれました。そこにおいて、この中心人物たちが、イエス様が責任を果たせるような環境圏をつくって差し上げなければならなかったのです。しかし、結局、そのようには出来ませんでした。

そうして、イエス様は十字架で亡くならざるをえなくなりました。そのような中で、「私はまた来る」と言われたのです。再び来て、「小羊の婚宴をする」というのです。イエス様が来られた目的は、真の父母になる事でした。2000年のキリスト教の摂理は、イエス様が出会うべき独り娘を誕生させる基盤として、成長しなければならなかったのです。

聖霊の役事によって出発したキリスト教は、300年余りが過ぎたのち、ローマから公認され、イタリア半島を越えて大陸に、そして島国であるイングランド(英国)にまで至り、大西洋文明圏を花咲かせます。ここで、皆様が注目すべき内容があります。地政学的に、島国は半島と大陸を欽慕します。(そのため)キリスト教の基盤であるイングランドと大西洋周辺の国々は、世界へと版図を広げました。しかし、結果的に見ると、(彼らは)キリスト教の本質が分からなかったのです。それゆえ、略奪をする文明になってしまいました。こうして、大西洋文明圏時代は限界にぶつかります。

17世紀に、イングランドの王ジェームズ1世によって、ギリシャ語およびへブライ語で書かれていた聖書が英語に翻訳され、新しい信仰運動が起こりました。(しかし)人間がつくった制度の中で天のみ旨に従うのは、簡単な事ではありません。ですから、キリスト教文化圏で、多くの誤った出来事が起こりました。共産主義も、キリスト教文化圏から現れました。

神様を尊敬し、愛し、神様だけに頼って生きることを願う信徒たちは、アメリカ大陸に向かいました。天は彼らを祝福しました。将来、来られる再臨のメシヤの環境圏を築くための、天の祝福でした。一人の人間によって失敗が繰り返されてしまう歴史を、民主主義の方式によって防ぐ事の出来る環境を、天が祝福されたのです。

また、天はイエス様が約束された独り娘の基盤を準備してこられました。それが、大韓半島、韓国です。

大韓半島は、解放(第二次世界大戦の終戦)とともに、民主と共産に分かれました。以北が、金日成(を中心とした)一つの体制をつくって南侵する準備をしている時、以南は、民主主義国家として、まだ定着できていませんでした。そうして、1950年6月25日、韓国動乱が起こったのです。その時、天はどのようにして国連を動員し、16ヵ国から成る国連軍を投入する事が出来たのでしょうか。

人類の願い、神様の夢は、人間の先祖となる真の父母を通して成し遂げられます。真の父母が誕生した韓国が、共産化されるわけにはいきません。そのため、奇跡的に国連軍を動員する事の出来る機会を下さったのです。これが、歴史の真実です。

その時、キリスト教の基盤は、再臨のメシヤを迎える事の出来る環境圏になるべきでした。しかし残念なことに、(彼らは)神様が分からず、イエス様の本質が分からなかったのです。神様の夢は、人類の真の先祖、真の父母になる事でした。そうであるとすれば、個人救援だけという事はありえません。家庭救援です。真の父母によって新たに生まれてこそ、神様の前に真の子女として立つ事の出来る道が開かれるのです。

そのような観点で見るとき、2000年前、イエス様の誕生に際して、マリヤが責任を果たさなければなりませんでした。しかし、マリヤはイエス様が何者なのか、分からなかったのです。イエス様がどのような人なのか、分かりませんでした。イエス様の使命も分かりませんでした。

しかし今日、イエス様が願い、出会うべきだった独り娘を誕生させた大母様は、責任を果たしました。それにより、日本が真の父母の前に、エバ国として母の国として責任を果たすという使命を受ける事になったのです。

ですから皆様は、清平を愛さなければならず、大母様の勝利的基盤を相続する位置に立たなければなりません。そうすれば、韓国、日本を中心としたアジアの国々が、太平洋文明圏の時代を開き、過去の大西洋文明圏時代とは違って、真の愛を中心とする心情文化革命を起こす事が出来るのです。

きょう、この場にも、4000人を超える青年が集まったと聞きました。アジアの国々でトップガン修練を受けた青年が、1万人になるようにする予定です。彼らは、アジアはもちろん、世界に出ていくでしょう。そこに日本のトップガン(修練生)、青年会員も同参しますか。

真の父母を知らなければなりません。世界の全ての難問題、また、日本の問題を解決するためには、父母に侍らなければなりません。絶対権限を持たれた神様、創造主、天の父母様(神様)に侍る運動が、正に統一教会・家庭連合の運動です。

世界の万民が「神様の下の人類一家族」となる夢を実現するために、日本、エバ国家の皆様が世界を前にして母として、世界の人類を兄弟として教育し、束ねていくために、総力を挙げなければなりません。

きょう、「母の日」を迎えるにあたって、母親のような思いで世界を抱かなければなりません。そのために、きょう集まった皆様が先頭に立って、偉大で歴史的な主役となるよう、懇切にお願いいたします。そのようにして下さいますか。

1億3000万にもなる日本の全国民が、ために生きる、真の愛を実践する姿をもって、世界を抱く母の国になることを、お祈りいたします。

15.  人類文明史を通した天の摂理におけるアジアの使命

*このみ言は、2017年6月13日、タイ・バンコクのインパクト・アリーナで開催された「世界平和青年学生連合」アジア太平洋圏創設大会で宣布されたものである。

尊敬する内外の貴賓、平和大使、特に政界、学界から来られた指導者の皆様。きょう、私たちはアジアの未来の希望を見ています。ここに集った1万2000人の、私たちの未来の指導者として育つ青年たちに、私は歴史の真実を明らかにしようと思います。

「人類文明史を通した天の摂理におけるアジアの使命」という題目でお話しします。

東洋と西洋を語る時、西洋は物質文明の発達を探求してきました。東洋は精神文明の発達を追求してきました。そうして、今日の四大宗教がアジア圏から出てきました。しかし、始まりは互いに違いましたが、結論は一つにならなければなりません。そのような点から、きょう、お話ししようと思います。

本来、宇宙の主人は、創造主、神様であられます。神様が天地万物を創造され、人間の先祖になりうる男性と女性を創造されました。そして、人間には、責任(分担)を下さったのです。しかし、人間の先祖になる前に、欲心が生じました。自己中心の心を持ったのです。それが、今日、神様と関係のない人類をつくりだしました。

繰り返される戦争と、全ての関係において一つになる事の出来ない利己主義、自己中心の個人と国々が、今日の私たちが目の当たりにしている現状です。しかし、全知全能の神様は、創造原則を置かれ、必ず自ら神様を訪ねてくる、勝利した人間の先祖になりうる人を、待ってこられました。ですから、選民という国を立て、「終わりの日に救世主を送ってあげよう」と言って、育ててこられたのです。

天は約束した通り、4000年目にイエス・キリスト、独り子を送って下さいました。独り子が来られた目的は人類の真の父母になるためです。イエス様が男性であれば、相対になりうる女性に出会わなければなりません。しかし、この事に責任を持つべき周辺の中心人物たちが責任を果たせませんでした。もし、その時にイエス様が真の父母の立場に進む事が出来、「世界の全ての道はローマに通ず」と言われたローマを通して世界に向かっていたなら、その時、神様を中心とした一つの世界になっていた事でしょう。

しかし、不幸にも、イエス様は十字架で亡くなられるしかありませんでした。亡くなられる状況で、「再び来る」とおっしゃいました。再び来て、「小羊の婚宴をする」というのです。小羊の婚宴は、男性として来られる独り子が、女性として来られる独り娘に出会い、結婚するという事です。それが、人類の願いであり、天の願いでした。

今日のキリスト教は、それを知らずにいます。

しかし、天の摂理は、人間の先祖になりうる勝利した真の父母を通して、その道が開かれました。これは、どれほどありがたく、感謝すべき事でしょうか。

天は、独り娘を誕生させる事の出来る国として、アジアへと目を向けられました。韓国という国が世界にあまり知られていない時、そのうえ、解放されなければならない時点において、1943年に私が生まれました。1945年の韓国解放と共に、(韓半島は)南北に、民主と共産に分かれたのです。その時、北は一つの体制で南下する考えを持ち、あらゆる準備を備えていました。しかし、南の民主主義は、まだ体制が安定していない時でした。そして、1950年に韓国動乱が起こったのです。

無防備状態であった南において、天の御加護がなかったとすれば、国連の16ヵ国が参戦できなかったなら……。きょう、ここに立っている独り娘が成長期間を通して、責任を果たせる立場に進むまで時間が必要でした。ありがたい事に、16ヵ国の中の一国として、タイの若者たちが参加してくれました。

ありがたい事です。韓国動乱が60周年を迎えた時、私と文(鮮明)総裁はリトルエンジェルスを(16ヵ国に)送り、参戦した16ヵ国の存命していた勇士たちに会い、慰労し、感謝の意を表しました。彼らはとても感激し、長い歳月が過ぎたのに、自身の苦労を理解し、恩恵に報いてくれる総裁に対して感謝しました。感激の涙を流しました。

そうです。私たちは天の前に、一つの兄弟姉妹です。しかし、堕落によって天の前に出ていく事の出来ない障壁が生じました。それゆえ、メシヤ思想が存在するようになったのです。

メシヤは人類の真の父母として、堕落した人類が神様の子女の立場へと進んでいく事の出来る道を開いて下さる皆様の父母です。

それゆえ、他の宗教を信じていたとしても、太陽に向かって整列するヒマワリのように、私たちの本心が願う、本質に向かうその心が、ヒマワリより劣ってはなりません。

そのような点で、皆様は、きょう、歴史の真実を学んでいるのです。今日の全世界的に生じているあらゆる難問題は、人間の力では整理する事が出来ません。ただ真の主人であられる神様だけが、天の父母様(神様)だけが解決できるのです。

それゆえ、宗教を超えて、人種を超えて、世界の人類が真の父母と一つになる立場に立つようになる時、人類は一つになる事が出来ます。

今から約100年前、インドの詩聖タゴールが、韓国が最も困難な時、韓国に向かって、「コリア、その灯火が再び明かりを照らす日に、あなたは東方の明るい光となるであろう」と、美しい預言的な詩を詠みました。灯火とは何でしょうか。光は真理です。真の父母の教えである真の愛の運動だけが人類の前に光となるのです。その光が皆様を通して東方から差す事でしょう。

孝情の心情文化の主役となる、きょう集った1万2000人の青年たちが一つとなって、真の父母様によって開かれた太平洋文明圏時代の強い潮流に乗り、世界に進んでいく時、皆様が世界万民の前に灯火であり、光であり、救世主となるのです。その仕事をしますか!

この道によってのみ、アジアの希望であり、人類の願いであり、天の父母様の夢がかない、人類一家族、自由、平等、平和、統一の、幸福な神様を中心とした地上天国が開かれるでしょう。

皆さん、ピュア・ラブ(純潔教育)を通して、また、家庭連合を通して、多くを学んだと思います。天国は、家庭が入る所です。夫一人がよく信仰しているといって、入る所ではありません。夫と妻、家族が一緒に入る所が天国です。そのような世界になるならば、私たちは青少年の脱線に対して心配する必要がありません。環境圏が(正しいかどうか)本心の作用によって自ら分かり、天の前に、孝情の心情文化圏で暮らすようになるからです。そのような世界のために、私たち、きょう、ここに集まったアジアの若い青年たちが、世界の前に、高くそびえる先駆者であり、主役になる事が出来るよう願います。

私たちが願う一つの世界は遠くにあるのではありません。私の家庭において、私の国において、真の父母様の「ために生きる真の愛」を実践する時、正にそこが地上天国なのです。

今、私たちは、真の父母を中心とした一家族です!天の父母様の夢、人類の願いが成就する、神様を中心とした人類一家族となるその日に向かって、皆さんが力強い歩みで、勇進するようお祈りいたします。

Luke Higuchi