317.韓鶴子総裁御言選集3 天一国と私たちの使命

第3巻 第17回

第2部  神様と人類の希望 真の父母

1. 神様と人類のための献身

*このみ言は、1984年9月3日、アメリカ、ワシントンD.C.のマリオット・ホテルで開催された第13回「科学の統一に関する国際会議」において宣布されたものである。

大会議長、著名なる学者の皆様、そして紳士淑女の皆様。私は皆様がこの第13回「科学の統一に関する国際会議(ICUS)」に御参席くださいましたことを心から感謝申し上げます。年に一度のこの会議が、ますます重要かつ盛大なものとなっておりますのも、皆様方の参加と勤勉な努力の賜であると思います。

私の夫は、この場に来ることができませんので、私に、皆様が今回の会議に参加してくださったことに対する心からの感謝を伝えてほしい、と申しております。皆様がここにいらっしゃるということは、この会議の重大性と卓越性を証明するものでしょう。それはまた、この会議が学界や、世界全体にとって重要なものとなっていることを示しております。

私にとりまして、きょうはめったにない機会ですので、この場をお借りいたしまして、夫である文鮮明牧師の仕事やビジョンについて、少し証させて頂きたいと思います。

夫は自分のために生きているのではありません。神様と人類のために生きています。にもかかわらず夫は今、連邦刑務所に収監されております。なぜ文牧師が入獄という道を行かなければならないのか、不思議に思われる方もいらっしゃることでしょう。私はただ皆様方に、夫は神の戦士として生涯多くの非難と迫害を受け続けてきたことだけを申し上げておきたいと思います。

1971年に夫は神の召命を受けて、キリスト教の復興と、アメリカの建国精神の復興運動を指導するために、アメリカに参りました。夫は私に、自分が迫害を受けるだろうと、さらには入獄されることさえあるだろうと申しておりました。それにもかかわらず、アメリカが神より与えられた使命を全うするか否かということに、世界全体の運命がかけられていたので、夫は神から与えられた使命を果たすために、アメリカに行かなければならないと申しておりました。

この12年間、夫はアメリカと世界のために、汗と涙を振り絞り、自分の心情と魂の限りを尽くしてまいりました。そして極めて重大なこの時期に、収監問題を中心として、全米において宗教の自由のための決起大会が開かれたことを、神に感謝いたします。アメリカの精神的覚醒がついに始まっております。キリスト教が一つになっていることも事実です。この成果のすべては、夫にとって大変貴重なものであり、このために夫は自分の生涯を喜んで捧げております。

様々な宗派、人種、国家の宗教指導者たちが、夫と連帯し、宗教の自由を支持しようとしております。このような支持が表明されるのを見て、私は大変うれしく思いますし、夫は自分が一人でないことを感じております。

夫は刑務所の中で、アメリカが神に祝福されるようにと毎日、祈っております。自分が宗教の自由のための闘いを指導するという、特別の使命を与えられていることを神に感謝しております。

私は、文牧師の妻であること、彼の子供たちの母であること、そして彼のビジョンを固く信ずる者であることを誇りに思っております。

私の夫や家族、そして私たちの運動にとって苦難のこの時に、皆様が示してくださった共鳴、愛、支持に対して、とりわけ皆様の祈りに、心から感謝申し上げます。私の夫も皆様方に感謝しております。

ICUS(科学の統一に関する国際会議)は夫にとって、いつも特別なものでした。それは地上に神の国を築いていくことを主題として扱ったプロジェクトの、注目すべき一つのひな型なのです。世界の至る所から、あらゆる学問分野の学者の皆様が一堂に会して、他のいかなる組織もなし得ない方法で、世界の問題を扱い、解決していく可能性をもっているのです。

私の最大の願いと祈りは、皆様方がICUS(科学の統一に関する国際会議)のビジョンと仕事を支持し、学界に求められている極めて重大な責任を、積極的に果たしていくための道を探求し続けて頂きたいということです。もし皆様方がそうされるなら、夫にとってそれ以上の喜びはないでしょう。

夫が毎年、恒例として行っている創始者のあいさつを、長男の孝進にさせたいと思います。息子が父親のメッセージを伝えることを許していただければ大変有り難いと思います。

神が皆様と皆様の家族を、そして皆様の仕事を祝福されますように。ありがとうございました。

2. 神様のために生きてきた生涯に対する応答

*このみ言は、1984年11月15日、アメリカ、ニューヨークの国連本部において開催されたアルゼンチンのラプラタ大学「文鮮明先生名誉神学博士学位授与式」において宣布されたものである。

文鮮明牧師の妻として、私は、私の子女たちと全世界の統一教会のメンバーと共に、難しい状況にいる私の夫を理解して、栄誉なる学位を授与してくださろうとする貴大学の勇気ある姿勢に対して敬意を表したいと思います。皆様方の勇気ある決断に大きな感動を受けました。これに対して、この場で私の深い感謝の意をどのようにお伝えしたらいいのか、言葉で表すことができません。

私の夫は現在、コネチカット州のダンベリー刑務所に収監されております。夫は自分の自由よりも神様をより愛するゆえに、刑務所の生活を送っています。自分の安逸を願うよりも人類をもっと愛するゆえに、刑務所にいるのです。個人の名声よりも原理原則を固守する人であるゆえに、そして現世のために生きるより歴史のために生きる人であるゆえに、そこに行くことになったのです。

私たちが今までの歴史を調べてみるとき、神様に従う人たちや原理原則に従う人たちは、たびたび受難の道を歩んだという事実を知ることができます。私の夫は、その伝統に従っているのです。ラプラタ・カトリック大学におかれましては、文牧師の生涯の価値とそのビジョン、彼が成し遂げた業績を認められ、そのため学位を授与してくださるのだと思います。夫が刑務所にいるために、きょう、このような栄えある場に参席できないのはとても胸痛いことでありますが、しかし、収監中に学位が授与されることは、一層歴史的な意味があると思われます。

私はきょう、ダンベリー刑務所で夫と共に過ごしてから、ここに参りました。そこを発つ時、夫は私に「私のなしていることに対して深く理解してくださったことに、心からの感謝の意を伝えてほしい」と申しました。貴大学が示してくださった行為は、夫が本当に私心をもたず、自分自身のためよりも人類のために働いているという事実を全世界に証明するものとなります。ひいては、この栄光は、夫の受難が決して無駄ではないことを立証し、世界の人々が、神様と人類のために生涯を捧げる夫に感謝を表したことになるのです。

私の夫である文牧師は、皆様の偉大な国、アルゼンチンを訪問したことがございます。夫は、アルゼンチンの国民と国家の前に広がっている無限なる未来を見てきたと申しました。貴大学は南北アメリカ大陸において最も立派な大学の中の一つであり、ローマ・カトリックの2000年史の伝統をもつ教育機関です。皆様の基準、特に神様のみ前に真正なる自由を死守しようとされる皆様の姿勢は、文牧師の心を動かしました。そのためにラプラタ大学と、このような特別な因縁を結ぶことになったことに対して、大変うれしく思っております。

文牧師と私は、近い将来に貴大学を訪問することを待ち望んでおります。

神の祝福がラプラタ大学と共にありますようお祈りいたします。どうもありがとうございました。

3. 神様のために生涯をささげた人

*このみ言は、1985年5月11日、アメリカのバプテスト教会ショー神学大学において開催された文鮮明先生名誉神学博士学位授与式において宣布されたものである。

御来賓の紳士、淑女の皆様、スミス博士、ペイジ博士、そしてショー神学校ならびにショー大学の教授の皆様方。

本日、皆様方が私の夫、文鮮明師に贈呈してくださった名誉ある表彰に対し、私は夫と家族に代わって心から感謝の意を表したいと思います。

夫は、ショー大学、ショー神学校、そしてこれらの創立者であるヘンリー・マーチン・タッパー博士の歴史を読み、博士御自身が生涯を捧げていること、すなわちイエス・キリストと同じような、神様の愛と人類への奉仕という、二つの特質を博士の生涯の中に見いだして、特に心を動かされました。

創立記念日には、皆様全員がこの偉大な人物に敬意を表するために、キャンパス中央にあるタッパー博士の墓碑の所に集まり、博士の次のような碑文を読んでいらっしゃると聞いております。

「彼は自身の人生は考えず、すべてをために生きた  兄弟として人類を神により近く引き上げるために」

タッパー博士は理想のために多くの迫害を受けたにもかかわらず、勇気をもって乗り越え、信念を貫き通しました。夫もまた、理想のゆえに迫害されることの意義を知っており、今日、そのために連邦刑務所に服役中です。夫の全生涯の目的は、すべての人々を神様の方向に引き上げ、病んでいる人類の苦悩を取り除くことにあるのです。

また夫は、人種間の相互理解と調和のために身を捧げています。20世紀の最も偉大なアメリカの指導者は誰ですかと尋ねられたとき、夫は、それはマーティン・ルーサー・キング牧師であると答えました。

抑圧された多くの人々が、憎しみに対して憎しみで報いようとした時代に、キング牧師は、「私たちは憎しみの代わりに、愛を返さなければならない」と語りました。キング牧師は幾度も幾度も収監され、また信じていたもののために人生を捧げました。しかし、牧師の言葉は、今もなお私たちを励まし続けています。

同じように、夫も彼の敵を愛しています。最初から告発人を許してきましたし、アメリカをこれまで以上に愛しています。夫は監獄の中にあって神様に感謝しています。それは、神様が夫を道具として使い、すべての抑圧と不正に対して闘うように、アメリカ国民を鼓舞していらっしゃるからです。

夫は、国際的な異教間、異人種間の調和へのかかわり合いを、ショー神学校、ショー大学と共有しているといえるでしょう。イエス様が私たちに、神様を中心とした一つの家族として生活し、仕事をし、勉強することを望んだと確信していますので、夫は、人種差別、宗教的頑迷、そしてあらゆる形の不寛容を終焉させるために、人気や名誉のためではなく、ただ正義と神様のみ旨のために、彼の生活と聖職者の職を捧げているのです。

夫は、偉大な歴史をもつショー神学校、ショー大学が神に祝福され、本当により有望な前途を達成するために用いられるであろうことを信じ、祈っております。夫は、神様を愛し、全人類に役立つために、ショー神学校の偉大な伝統を相続することを希望しています。

過去においても現在においても、その際立った指導力と勇気を発揮したショー神学校に、神の祝福があり、み国建設の生命ある神様の手足として使われますように。

どうもありがとうございました。

Luke Higuchi