309.韓鶴子総裁御言選集3 天一国と私たちの使命

第3巻 第9回

第1部  平和世界に向かう道

13. 統一祖国創建の主役

*このみ言は、2015年11月17日にソウルのオリンピック公園オリンピック・ホールで開催された「2015平和統一実践国民大会」で宣布されたもので、柳慶錫「世界平和統一家庭連合」韓国会長が代読した。

愛する平和大使と統一準備国民委員、そして統一を切に念願する各界の指導者の皆様!2015年は、光復(解放)70周年となる歴史的な年であると同時に、民族の痛みである分断70周年となる年です。植民地支配とその後に続く戦争と分断によって、これまで我が民族は言うに言えない苦痛と困難を経なければなりませんでした。

南北統一と世界平和のための礎石

摂理史と文明史から見ると、真の父母様が顕現された韓半島は、すべての文明が結実すべき祝福された地であるにもかかわらず、外勢と理念によって分断された、世界唯一の分断国家となり、70年間、愛する親と子、兄弟たちが民主主義と共産主義という理念の障壁に阻まれ、互いの生死も知らないまま暮らさなければならなかった不幸な歴史をもっています。

過去70年の間、韓半島を南と北に分けた怨恨と痛哭の分断線は、外形的には地理的、血縁的な分断線ですが、実は神の存在の正否をめぐって唯物論と有神論とが激しく対立してきた思想の分断線であり、価値観の分断線でした。このような尖鋭な思想と価値観の対立は、人間始祖の堕落とともに復帰摂理歴史の全過程を通して、個人、家庭、民族、国家を越え、世界的な次元へと拡大してきた結果であり、20世紀において民主主義と共産主義という名で表面化し、韓半島を分断させる根本原因になりました。したがって、韓半島の平和的な統一は、分断体制を招いた冷戦理念の問題とその根幹となる絶対価値の定立問題を根本的に解決しなければ実現不可能なのです。

愛する平和大使、統一準備国民委員の皆様!真の統一は、銃刀のような武力や経済成長を前面に掲げた政治的な論理だけではできません。資本主義と共産主義がもつ限界を根本的に解決すると同時に、私たちが天の父母様のもとの一兄弟であることを悟らせることのできる次元の高い統一理念と国家ビジョンが提示されてこそ可能なのです。兄弟が一つになるためには、必ず父母が中心にならなければなりません。父母を中心に迎えなければ、兄弟は一つになることができません。

ゆえに、文鮮明総裁と私は、分断の原因である冷戦理念の問題を根本的に解決すると同時に、韓民族、さらに人類の真の父母がいかなる方であるのかを明らかにし、「統一原理」と「統一思想(頭翼思想)」として体系化しました。そして、これを土台に冷戦体制を終息させ、南北を一つにするために多様な努力を傾け、決定的な役割を実践しました。

1990年のゴルバチョフとの会談を通して共産主義の終息を導き出し、1991年の金日成主席との会談を通して、断絶していた南北関係を緩和させ、統一のための実質的な交流の口火を切りました。金剛山開発事業計画、平和自動車と普通江ホテルなどの経済協力はもちろん、南北大学生交流、平壌観光、リトル・エンジェルス芸術団と平壌少年学生芸術団の公演など、多様な南北交流の道も開きました。それだけではなく、韓半島の統一に国際社会が積極的に協力できるように、194ヵ国に「天宙平和連合」と「平和大使協議会」、「世界平和女性連合」、「世界平和青年連合」、「世界平和連合」など国際的な平和団体を創設し、「ワシントン・タイムズ」のような世界的な言論機関を動かし、北朝鮮の核問題の解決と韓半島の緊張緩和にも大きく寄与しました。

このような基盤を土台に、2015年には121ヵ国が参加する「ピースロード・プロジェクト」を開催することによって、全世界が韓半島の平和的な統一のために力を結集するようにしました。言語と国家、そして人種が異なる数十万人の世界の人々が韓半島の統一を祈りながらこのプロジェクトに参加し、みな共に韓国語で「統一の歌」を歌ったことは、大韓民国建国以来かつてなかった感動的な大事件でした。

また今、私は、世界平和と南北統一のための実体的な基盤を確立するために、第5国連事務局の誘致のための多様なプロジェクトを推し進めています。文鮮明総裁と私が一生を通して築いた世界的なネットワークをつなげて動員し、南と北が一つになる中でこのプロジェクトを成功させることによって、南北統一と世界平和のための礎石をすえようと思っています。

天が要求する真なる統一

愛する平和大使、統一準備国民委員の皆様!天が要求する南北統一は、統一そのものが目的ではありません。統一の基盤の上に永遠なる自平和、幸福と理想を花咲かせるためです。したがって、力による統一や相手を不安にする統一はあり得ません。相手のために与え、また与える真の愛による統一とならなければなりません。真の愛を基盤とした「共生・共栄・共義主義」に立脚した平和的な統一、南と北の相互信頼による非暴力、非武力による平和統一が、天の要求する真の統一なのです。韓国の人が韓国よりも北朝鮮を愛し、北朝鮮の人が北朝鮮よりも韓国を愛することができる努力を実践する時、統一が可能になるのです。

私は、このような真の愛の統一精神を全国民運動に拡散させるために、「南北統一運動国民連合」と「平和大使協議会」、そして「山水苑愛国会」などの団体を本格的に稼動させ、全国的に100万人の統一準備国民委員を準備させています。なぜなら、南北統一は、統一の主体である国民が誠意をもって乗り出すべきであり、統一の過程で起きるいかなる困難も賢く克服できる、徹底した準備と心構えが絶対的に必要であるからです。

このような点から、きょう開催される「平和統一実践国民大会」が統一時代を準備する真なる出発点となってくれることを期待し、姉妹結縁を結ぶ皆様全員が天の父母様を中心とした統一祖国創建の主役となってくださることを願います。皆様の家庭と大韓民国に天の父母様の祝福が共にあることをお祈りいたします。

14.「圓母平愛財団」の役割

*このみ言は、2013年2月20日に天正宮博物館で開催された「圓母平愛財団」出帆式で宣布されたものである。

各界の指導者の皆様!きょうスタートする「圓母平愛財団」の出帆式に参加してくださり、感謝申し上げます。

皆様もよく御存じのように、人類歴史が始まって以来、誰もが平和で幸せな世界を追求してきました。しかし、何が間違ったのか、そのような理想世界はできませんでした。このような摂理歴史の根本問題を探り、解決してくださったお方が天地人真の父母です。一生涯、天の摂理をつかんで全世界的に多くの仕事をしてこられました。2013年1月13日を「基元節」としてお立てになり、特別に12年間、全力投球してこられたのです。

世界平和実現のために寄与してきた文鮮明総裁

まず天の父母様の立場をお立てになりました。苦痛と戦争と悲惨な歴史の中を抜けられない人類に希望の灯火となられました。そうして内的には神霊と真理によって真の愛を実践する運動を展開してこられ、外的にも数多くの仕事をされました。

総裁は「無知には完成がない」と語られました。それで「世界平和教授アカデミー」を創設されました。立派な学者がたくさんいらっしゃいますが、全体を説明することができません。一分野の専攻者でしかありません。しかし、総裁は、この方々を通して世界平和を導く役割を果たすために創設したのです。そして科学者たちを通して世界平和を実践し得る方向を提示するために、「科学の統一に関する国際会議」を数十年間、主宰されました。

アメリカ、シカゴ大学の政治学者であるカプラン博士は、1985年当時、「世界平和教授アカデミー」世界大会の議長でしたが、文総裁はカプラン博士をダンベリーに呼んで、共産主義の滅亡を宣布するようにおっしゃいました。その当時は共産主義の勢力が強い時でした。それも、スイスのジュネーブにあるインターコンチネンタル・ホテルで宣布させたのです。道の向かいにはソ連大使館がありました。カプラン博士は「総裁の意志に従いますが、少し柔らかい表現ではいけないでしょうか。『メイビー(maybe)、おそらくそうなるかもしれない』と発表してはいけないでしょうか」と話すと、総裁は「何を言っているのか。私がしなさいと言ったとおりにしなさい!5年以内に事が起きるのだ」とおっしゃいました。その後、皆様が記憶されているように、ソ連帝国は滅亡しました。文総裁はモスクワにも行ってこられ、北朝鮮にも行ってこられました。このように平和世界に行くことのできる冒険的な実践をしてこられました。

700人以上の第1期奨学生の皆様、そして奉仕者賞を受けることになる皆様!おめでとうございます。しかし、皆様には責任があります。私たちは、天が念願し、人類が願う世界、平和の世界、幸福な世の中をつくることができます。私たち夫婦は先頭に立ってそのことを実践してきました。私は「圓母平愛財団」をより一層大きく発展させるでしょう。その第一次として、お父様の聖和基金の全額を資金として入れました。ヘリコプターが売却できれば、それも資金にするつもりです。そうして、人類にあまねく恵沢を与え、天地人真の父母のみ旨が何であるかを知らせようと思います。「無知には完成がない」と言いました。まず教育をして知らせなければならず、行動で示さなければなりません。

人材養成に力を傾ける

それゆえ、20年以上前にボランティア愛苑銀行を創設し、今まで愛と分かち合い、そして奉仕を実践し、疎外されている児童や隣人に多大な援助を提供しています。しかし、これだけに満足しません。「世界平和統一家庭連合」の進みいくところには希望があります。2020年に向けて私が天と約束したことがあります。必ずそのことを成就させるように多方面において環境創造をしようと思います。皆様、手伝ってくださいますか。

このような遠大な夢をかなえるために、人類の人口が30億の時から拍車を掛けてきましたが、今は70億を越えています。7年以内に70億人類すベてに知らせてあげたい気持ちです。そのためには、「圓母平愛財団」を通じて、多くの人材と各界各層において平和のために努力する人々がより大きな役割を果たせるように、大きな力になってあげます。

各界各層から指導者の方々が参加されていることと思います。立派なこともたくさんなさったことと思います。私たちがもう少し努力して動き、分かち合いの生活と真の愛を実践するならば、今後の未来は明るいでしょう。幸せな世界になることでしょう。私たちは子孫が困難に遭わず蕩減のない世界で幸福を享受して暮らすようになることを願っています。そのことに対して皆様が全員、勝利者となって責任を全うすることを希望しながら、感謝の御挨拶に代えさせていただきます。

Luke Higuchi