305.韓鶴子総裁御言選集3 天一国と私たちの使命

第3巻 第5回

第1部  平和世界に向かう道

5. 国連は神様の理想を実現すべき代表機構

*このみ言は、2000年8月18日にアメリカ、ニューヨークの国連本部で開催された世界平和超宗教超国家連合2000年総会で宣布されたものである。

高名なる貴賓、各国からお越しになられた指導者、そして紳士淑女の皆様。きょう、このように世界平和理想のための精誠が込められ、威厳あるこの殿堂において、2度目の演説の機会を持つようになったことを光栄に存じます。

すべての人類は神様の子女

1992年4月10日、韓国・ソウルのオリンピックスタジアムにおいて、私と私の夫は、国際連合の非政府機構として世界平和女性連合を創設したことがあります。当時、世界72ヵ国から15万人の女性が殺到して、本連合の創設の熱気をより高めることとなりました。

世界平和女性連合は、創設以来、世界185ヵ国において活発な活動を展開しており、平和文化と文明間の対話を指向する国連の方針に積極的に協力してきました。女性連合は、すべての女性が皆、一緒に神様の娘としての本質的な価値をもっていることを覚醒させることができるように、多様なプログラムを支援してきました。そして、後進国家の女性たちに奨学の恵沢とともに、教育の機会を提供してきており、国際的な姉妹結縁の行事を通じて、人種と宗教間の和解を追求してきました。エイズの予防活動を通じては、婚前純潔と夫婦間の貞操の重要性を強調してきました。

世界平和女性連合と世界平和統一家庭連合の創始者として私は、国連の加盟国家の大部分を巡回し、その国の国民と直接に対話と交流を分かち合うことができる機会をもってきました。また、国際救護親善財団の総裁として、数十年間救護奉仕活動を世界的に展開してきています。世界各地を見て回った私の経験として、道徳性の喪失、戦争、飢餓、貧困、劣悪な教育環境、疾病等、世界を苦しめている諸問題が、ますますより深刻化していることを感じています。世界が抱いているさまざまな問題の中で最も深刻なものは、神様のことが分からない霊的無知と家庭の崩壊であると言えます。

神様は、存在します。そのおかたは、世界を創造された後に、これに背を向けて遠くに行ってしまわれたおかたではありません。普通の親と同じように、神様は、御自身の子女たちが苦痛を受けるときに嘆息されるおかたなのです。神様が受けておられる最も深い苦痛というものは、正に人類が神様の心情を感じる能力を喪失したということにあります。このような理由によって、私たちは、神様が親であられ、すべての人類は神様の子女であり、互いに兄弟姉妹であるということを感じることができないのです。

神様と普遍的な真の父母の理想なくしては、真の兄弟姉妹の理想は成されえません。私は、真の愛による夫婦の揺るぎない軸を中心とした、真の家庭を打ち立てる運動に専念しています。そのような家庭の中においてのみ、真の父母像、真の夫婦像、真の子女像が定立されるのです。平和世界も、繁栄する国家も、真の家庭を基盤とすることによってのみ可能です。私の夫である文鮮明牧師は、このような善の目標を成し遂げることができるように、私を理念的に指導し、全幅的に支援してくれており、常に感謝しております。

平和理想世界実現のために一筋に生きてこられた方

文鮮明牧師は、一生を神のみ旨と平和世界実現のために献身してまいりました。幼少のころより、神様と特別な関係を結んできつつ、人生の目的、悪の根源等、人生の根本問題に対する答えを得るために、神様と深い祈祷の交感を続けました。私の夫を知っている人はだれでも、夫がこの上なく真摯で深刻な人物であるということを感じるようになります。夫は、自身のすべてのものを投入する人生を通じて神様に仕えてきたのであり、捜し出した真理のみ言は、世界185ヵ国にいる数多くの人々と若者たちの人生を転換させてまいりました。

夫の一生は、決して平穏ではありませんでした。夫は、あらゆる無理解と試練に耐えなければなりませんでした。背信と拷問、収監生活、数回にわたるテロによる威嚇を甘受しなければならなかったのです。しかし、そのいかなる障害も、60余年前、韓半島の山上で神様とイエス様にささげた約束を成し遂げるための、夫の決心を防ぐ術はなかったのです。

私の夫の献身的な人生は、個人的な安楽と衣食住を超越するものであったということを、私は妻として、だれよりも近くで見守ってきました。自らの家庭をおいて、民族、国家の因縁を犠牲にしてでも、神様の心情を慰労してさしあげて、神様が願われる平和理想世界を地上に実現するための一筋の道を生きてきた人こそ、正に私の夫であるということを証しいたします。

私は、今回の大会に参加してくださった皆様に深く感謝を申し上げる次第です。国連は、神様の心情奥深くに宿る理想を実現すべき代表機構であると考えます。私は、このような摂理史的な組織が、神様から賦与された責任を全うして、平和時代を率いる団体として祝福を受けることができるように祈祷いたします。神様の祝福が、皆様すべてと今回の大会とともにありますよつ祈願いたします。ありがとうございました。

6. 新しい文明時代を開きましょう

*このみ言は、1995年8月20日に韓国ソウルの奨忠体育館で開催された「世界平和青年連合」韓国大会で宣布されたものである。

愛する「世界平和青年連合」会員の皆様、そして、世界の各国から来られた代表者と内外の貴賓の皆様。この場を通して、皆様の支持と声援に心から感謝の意を表します。

本連合は、1993年10月の文鮮明総裁の提案によって、1994年7月26日、ワシントン大会でその幕を開けました。そして、韓国では1994年12月15日、全羅南道支部の結成を筆頭にして、1995年2月までに全国37の市、道の支部結成を完了し、6月末までに全国273の市、郡、区の支部結成を終え、今は3700の邑、面、洞の支部結成が進行中であると思います。このような短い期間における飛躍的な発展は、青年連合に送られる皆様の熱い声援と関心から湧き起こった結果です。皆様の労苦と発展する青年連合に、重ねて喝采を送ります。

愛する青年連合会員の皆様。私たちはこのような外的な実績だけでなく、内的な向上と実践に、より関心を注がなければなりません。混乱によって起こった過去の世代の葛藤と不条理を、これ以上繰り返してはいけません。なぜなら、私たちは青年世代の良心であり、世の中の中心にならなければならないからです。

青年の正しい倫理と道徳的価値は、随分前に消えてしまいました。今日、若者たちはそのような価値や退廃的戯れの善し悪しを見分けることができません。久しく続く刹那的文化による病弊と、中心を失った人生観は、どのように生きるのが正しく、間違っているのかという判断まで麻痺させてしまいました。あえて探し出さない限り、真の愛や「頭翼思想」、そして、神様に対する概念は、彼らにとって目に見えない不透明な理念にすぎません。

愛する青年連合会員の皆様。皆様の価値を御存じでしょうか。皆様の理想と志がどれほど尊く、貴重な財産であるかを感じていらっしゃるでしょうか。それらが実践的な行動を伴うとき、大きな山までも動かす力の原動力になるという事実を、皆様は知らなければなりません。知らずに行動しないのは、当然のことかもしれません。しかし、この世界を導き、主役になる人は、世の中を直視し、実践できる人でなければなりません。皆様はどのような人になりますか。勇気ある中心になりますか、あるいは押し流されて引きずり回される周辺の人間になりますか。昔、私たちの知恵深い先祖は、花郞道(儒・仏・仙の三教、三徳の精神を尊び、五戒を信条として愛国を標榜した)や国仙道(韓国の道教系の武術)や経堂(正祖の時代の武術)を通して、何年、いや何十年の間、青少年を修練の場に送り、体と心を鍛えるようにしたといいます。私たちがよく知っている李舜臣将軍や金庾信将軍などが、その代表的な人物です。

私たち「世界平和青年連合」は、近年になってさらに忘れ去られた価値観と混乱した倫理と道徳のために、セミナー、修練会、青年教育などを通して、真の価値観確立のための運動を展開しています。この運動を通して、青年たちは真の愛と真の人生の価値を啓蒙し、人間の本然の姿により一層近づき、理想世界の実現のための様々なモデルを形成していけるようにするでしょう。そして、変わらない神様の絶対価値を青年の不変の価値観として立て、この時代の青年運動の中心となるようにしていくでしょう。神様は歴史を超越して、いつの時代、どの場所においても青年を貴重に思い、歴史の中心に立たせてきました。青年が正しい生き様で自らを磨き上げながら進むとき、神様の姿は日常生活の中で鮮やかによみがえるでしょう。

体と心を鍛えるのは、一生にわたってすべきことですが、特に青年の時期において、その重要性は本当に大きいと言えます。なぜなら、青年期は人間堕落が起こった時期であり、人間の第二成長期ともいえる精神的誕生の始まりを意味するからです。

皆様はそのような重要な時期の青年として、新しい時代の口火を切っていく、輝かしい勇気と気迫をもった先駆者にならなければなりません。私たち「世界平和青年連合」は、このような重要な活動を実行に移すため、これから「世界平和連合」、「世界平和宗教連合」、「世界平和女性連合」、「世界平和統一家庭連合」など、本連合の理念に同意するすべての団体と互恵の原則のもと、相互に連帯していくでしょう。現在、中南米をはじめとした世界各国で、数多くの青年が私たちの運動に参加しており、特に新旧教の統一と南北米統合運動に、本連合の青年が積極的に参加しています。このような南北米統合運動と新旧教統一運動は、根本的な側面において、私たちの祖国韓半島の統一にも肯定的な役割を果たすものと信じています。

一方、私たち青年連合は、世界平和と真の統一世界を実現するために、国際的な青年学生の兄弟的交流と協力、統一運動を通して、青年国連の使命を展開し、21世紀の新しい文明時代を準備するための諸般の機構を編成していくでしょう。本連合は、全人類が神様の真の愛を中心として自由と平等を謳歌し、人間的な生活を営んでいけるよう、社会と国家の民主化と経済的な均等分配を通して、共に豊かに暮らせる共生共栄共義の理想世界を建設する運動を展開していくでしょう。いまだに地球上の多くの発展途上国では、飢餓と疾病により数多くの人々が無残に生命を失っています。これは他人事ではない、私たち全員の問題です。死んでいく地球村の兄弟の悲劇を見て、ただかわいそうだと考えるよりは、実質的に彼らを助けてあげる全世界的な最後の救世運動を展開していかなければなりません。

現在、本連合の創始者である文鮮明総裁は、飢餓と貧困で苦しんでいるアフリカを解放するため、そこの数多くの青年を教育し、統一運動に同参させています。そして、アフリカの次に発展が停滞している中南米の国家を生かすために、中南米統合機構を中心として、多様なプロジェクトを推進しています。そして、このような計画を成果のあるものとして実現するために、去る(1995年)7月、私と共に中南米の数十ヵ国を歴訪し、各国の頂上の人々と会い、中南米の明るい未来のために共同で努力することを約束してきました。

今や、本連合を中心とした統一運動は、全世界160ヵ国以上で根を下ろしており、共産主義の崩壊によって理念的座標を喪失したロシアと東ヨーロッパ国家の青年と知識人の未来を照らしています。そして、去る(1995年)4月3日の午前5時に、世界160ヵ国を代表した指導者の前で、夫と私は「ニュー・ホープ・ファーム宣言」と「サンパウロ宣言」を発表し、理想的な社会、理想的なモデル国家を建てるための歴史的な長征を出発しました。性道徳の紊乱と個人主義の氾濫、飢餓と貧困、そして、肥大した科学の発展による今日の人類の危機と地球環境汚染問題は、これ以上放置できない実情にまで陥っています。そのような危機を克服するための対策として、ブラジルとアルゼンチンなど、中南米において数十億坪に相当する巨大な地を開拓し、「ニュー・ホープ・ファーム」という名で理想的な社会、理想的な国家のモデルをつくっています。

そして、このような理想的なモデルを全世界に拡大していくでしょう。この運動こそ、私たち青年連合の会員が中心的立場に立って推進していくべき、最も重要な事業だと言えます。そして、これは神様の願いであり、創始者の願いであり、また本連合が目指す理想社会の姿でもあるのです。このような創始者の開拓の意志を手本とし、皆様もまた、皆様だけの改革の意志を見せなければなりません。

時代の激動期のたびに、人類の危機と「終わりの日」の混沌に対抗し、奮闘してきた数多くの良心的な先祖がいたように、会員の皆様は、各自の明確な信念と努力によって、皆様に与えられた使命を果たさなければなりません。迫りくる21世紀の平和な地球共同体を建設するために、このような使命は必ず目指されるべき課題であり、私たちは力の限り、全世界的な次元において統一された努力を鼓舞しなければなりません。

「世界平和青年連合」会員の皆様。皆様の心情に、中身のあるよく熟した神様の理想とみ旨の種を蒔かなければなりません。そうして、誰よりも神様に似て、新しい時代と到来する未来に深い根を下ろすことができる若者にならなければなりません。今は心情文化と心情の熱気で行動する時です。混沌とした世界を正しく立てられる文化プログラムを開発し、共に喜んで楽しめる芸術を創造しなければなりません。

創始者の理念のとおり、神様を中心として、新しい価値観を創建できる高い志の青年連合をつくりましょう。神様を否定する堕落したこの世界に神様の摂理を理解させ、神様と人間が一体になる人間革命においても先頭に立ちましょう。個人完成、すなわち神様を中心とした「私」を完成し、家庭と氏族を神様のみ前に復帰させ、民族と国家を神様に導いて進むとき、世界と天宙はおのずと天の理想に近づくのです。神様を私たちのすべての思いと行動の中心的位置にお迎えするときにのみ、その結果は善のものとなり、新しい歴史創建の主役になるのです。

愛する青年連合の会員、そして各国の代表と内外の貴賓の皆様。私たちは、燃え上がる心情で、新しい道義世界を導いていく創建者になりましょう。失われた人類の良心に、正しい価値観と倫理と道徳を探して立て、彼らの前において前進する若者になりましょう。

皆様には無限の神様のエネルギーと信念があり、いかなる困難にも再び立ち上がる不屈の意志があります。「天は自ら助くる者を助く」と言います。皆様の気概は、あの朝日よりもっと赤く、力強いのです。私は、皆様の覇気ある希望に満ちた姿を見るたびに、本連合の創始者であり、私の夫である文鮮明総裁のことを思わずにはいられません。私の夫は、青年時代に人類を救うという使命を神様から受けたのち、今に至るまで人生を捧げて、神様の摂理歴史の恨を解くために力の限り努力しています。世の中が全く理解せず、あらゆる迫害を受けながらも、ただ神様の心情を握り締め、涙を流して祈りながら悪の勢力と闘争し、ついに真の父母と成約時代を宣布することによって、歴史的な勝利を収めたのです。

生死を行き来する共産治下の監獄と、李承晩独裁政権の監獄、そして、白人優越主義と宗教的弾圧のくびきを掛けられたアメリカにおけるダンベリーの苦難に至るまで、長い生涯路程を逆境の中で生きてきながら、神様のみ旨に背かず、不屈の闘志によって独り勝利し、今日、神様と全世界万民に誇れる、世界的な基盤を築いたのです。

私は、夫がひとえに神様の救援摂理の恨を解くために、一生を生きてきながら、一時も平安に休むことのできない不憫な姿を身近に目にするたびに、夫がどれほど神様のみ旨に徹して生きているのかを感じざるを得ません。もうすぐ80歳になろうという老躯にもかかわらず、いつも若者よりもっと熱い情熱と努力によって世界平和と人類の救援事業を絶え間なく推進している創始者の精神を、青年の皆様は相続し、理想世界の創建に向かう神聖な大長征に同参していきましょう。

人類の未来を率いていく青年連合の会員の皆様。21世紀、新しい世界に向かう救いのみ手が、私たちを待っています。皆様の心情に、神様に対する不変の中心を立て、真の父母様の生涯路程の輝く伝統を相続し、神様の創造理想である民族と国境と人種を超越した、「世界は一つの家庭、人類は一つの兄弟姉妹」と言える統一された平和世界を創建する主役になりましょう。人類の繁栄と幸福のために両腕の袖をまくり上げ、先頭に立った皆様を歓迎いたします。私たちは、共に「神主義」と真の愛を中心として、祖国統一と世界平和のために真の愛の実践運動を展開しましょう。考えだけにとどまる人ではなく、実質的な行動の同参者として、心情文化の火をともすこの時代の若い主軸になりましょう。神様と真の父母様に侍って、個人、家庭、氏族、民族、国家、世界に広がっていき、理想世界を建設する誇らしい若者として、真の青年運動の中心になりましょう。

新しい世紀を開いていく青年会員の皆様。21世紀は正に、皆様のものです。愛と平和がいっぱいに満ちた21世紀、新しい文明時代を開け放つことに目覚めた青年として、人類の未来の火をともす新しい時代の開拓者になりましょう。もう一度、皆様の労苦と熱い声援に感謝いたします。そして、最後までこの場を輝かせてくださった内外の貴賓の皆様と各国の代表者の方々にも、深甚なる感謝を申し上げます。私は「世界平和青年連合」の総裁として、皆様全員を胸深く、心から愛しております。

最後に、青年連合会員の皆様と、内外の貴賓の皆様に、神様の祝福と恩恵が満ちあふれることをお祈りいたします。ありがとうございました。

Luke Higuchi