平和経 第338話
真の愛とは何か
内外の貴賓の皆様。神様の真の愛を中心として互いに縁を結べば、必ず主管権と所有権、そして相続権をもつことができる特権が賦与されます。力学では、入力より出力が小さいですが、真の愛の世界では、入力よりも出力のほうが大きいのです。真の愛とは、ために生きる愛であり、与えてはそれを忘れてしまうものです。与えたことも記憶しないのです。また、どんなに注いでも、疲れることがありません。九十歳を超えた父母が、七十歳になった息子に、「息子よ、車に気をつけなさい!」と言っても、不自然ではなく、何十年間、その言葉を繰り返したとしても、嫌気が差したり、疲れたりすることがありません。
堕落した世界の父母もそうであれば、ましてや本質世界において父母なる神様の愛を与えたり受けたりするとき、疲れることがあるでしょうか。人生で、神様の真の対象圏を確定し、真の愛の栄光が不変であることを、初めて知るようになるとき、永生の論理を妥当化させることができるのです。
私が、去る一九八四年に何の罪もなくアメリカの監獄に入り、獄中のベッドに一人で横になっているとき、神様が訪ねてこられ、「信じられる人はあなたしかいないので、ニカラグアの事態を解決しなさい」と命令されました。神様が訪ねてこられる人間が、どうして私しかいないのでしょうか。先進国を代表すると言われるアメリカには、二億四千万という国民と数限りない大勢の宗教家がいるのですが、彼らを訪ねていくことができず、私を訪ねてこられた神様は、どれほど哀れであられるか、推し量ることができるはずです。神様は、強い引力の愛を訪ねようとされるので、昼夜、世界のために心配する私を訪ねてこられたのです。そのとき、私が「ワシントン•タイムズ」を前面に立てて援助する仕事を展開していなければ、南米は思想的に既に廃墟になっていたでしょう。
紳士淑女の皆様。我が民族の念願である南北統一は、この時代の神様の願いでもあります。北朝鮮と韓国を統一させ、神様が安息できる基盤を、皆様の家庭と私たちの教会、そして国に築くことを天は願っているのです。
南北統一は真の愛で
それでは、何をもって神様に侍るのでしょうか。何をもって、これをすべてきれいに洗い流さなければならないのでしょうか。何をもって洗い流せば、神様はきれいだとおっしゃるのでしょうか。ほかでもありません。自分の父と母を愛する以上、夫や妻を愛する以上、子女を愛する以上の真の愛を中心として、その環境を築き、祭物的な祭壇を築こうというその立場から、初めて理想的な南北統一が出てくるのです。理想的な東西文化の統合が起こるのです。分離した地上世界と天上世界の理想的な統一が起こるのです。地獄と天国の解放圏が開かれます。それで、真の愛の鍵が必要なのです。
私の心と体の愛による統一は、家庭的な愛の統一と常に互いに通じることができます。家庭が和合した愛の夫婦は、家族だけでなく、その氏族と国家と世界にも通じることができます。愛し合う夫婦が一つになれば、誰がそしり、踏みにじることができるでしょうか。和合した家庭、民族、国家、世界、天宙、和合した真の人間が愛を中心として神様と一体になった世界が、真の愛のユートピアではないでしょうか。すべての植物が、太陽の光を生命の要素として吸収するように、人間にとっては、愛が生命の要素となるのです。私たちの願いは、永遠に真の愛とともに、慕いながら生きることのできる地上天国や天上天国が建設されることです。しかし、この世の中に、すべてのものの主人格として登場できる驚くべき人生の価値とその特権的な権限をもった真の愛の主体者、あるいは対象者が、果たしてどれだけ存在するでしょうか。
きょう、この場に参席された皆様は、どうかこのことを忘れずに、心と体が一つになるように努力することによって、自らの夫婦同士で、より高くために生きる愛で愛し合い、家庭と民族と国家と世界を愛する真の人と家庭となることを願います。
もし、そのようになれば、南北統一は既に成就したのと同じです。どんなに強い主体思想であっても、神様の愛の中では、力なく収拾され、消滅してしまうでしょう。本当に愛する心をもつようになれば、南北統一は問題になりません。それだけでなく、東西問題や、世界的南北の貧富の格差の問題も、この神様の真の愛をもって完全に解決することができます。このような神様の理想を中心として、世界の理想を消化し、そこから国家理想を消化し、国家理想から民族、家庭、個人にまで連結できる理想が成し遂げられることによって、この地上には、真の愛の平和世界が建設されることは間違いありません。
内外の貴賓の皆様。私は、四十年以上前から、ここでお話ししたように、統一の根本原則を宣言し、国内外で「神主義」を中心とした理念運動を土台として、周辺四大強国に、統一の国際的な基盤を造成してきました。韓国と日本、そしてアメリカなどに、それぞれ数百万人を超える会員たちが、「国際勝共連合」と「カウサ(CAUSA:南北米統一連合)」の活動などを通して、民間基盤を構築してきたのです。これまで、私が主唱してきた「神主義」は、唯物論や無神論の相反する価値観の統一はもちろんのこと、世俗的人本主義を解放できる唯一の思想として、世界各国の指導者たちと思想界で検証されたものです。
世界平和のために南北統一を信仰化しよう
南北統一を熱望する愛国同胞の皆様。私たちは共に、真の愛の「神主義」によって私たちの価値観を確立し、国民思想武装に総決起しましょう。私たち自身と韓民族、そして世界平和のために、南北統一を信仰化しましょう。そしてこの時代に、歴史と天の召命を受けて立ち上がり、南北統一運動に私たちすべてが先頭に立つ義人と指導者になりましょう。真心から一緒に暮らしたいと思う真の愛、怨讐までも愛する心で、真の愛の温風を北方の地の同胞たちに送りましょう。特に、人類歴史の始まりに、エバの失敗によって歴史が誤ったので、「終わりの日」には、女性たちが先頭に立って、真の愛の母性愛で、青少年の和解と統一の新しい歴史を創造していきましょう。
女性の使命は、子女格の青年男女および学生たちを、真の教育を通して真の子女として復帰していくことです。さらには、母と子女が一つとなって手本を示し、夫までも教育を通して真の天の息子として復帰し、真の父母に従い、神様を中心として侍り、地上天国の理想を復帰しなければなりません。いま一度、きょうのお話が、韓国と北朝鮮が共に真の愛で出会うその日を早める全国民運動となることを願いながら、お話を終えようと思います。神様の祝福が皆様と皆様の御家庭に共にあることをお祈りします。ありがとうございました。