210.韓鶴子総裁御言選集2 理想家庭と平和世界のモデル
第10回
第1部 真の愛運動と女性の役割
12. 真の家庭運動を先導する女性となろう
*このみ言は、1997年11月27日、アメリカのワシントンDCにあるグランドハイヤツト・ホテルで開催された第3回世界文化体育大典「世界平和女性連合」世界大会で宣布されたものである。
著名な女性指導者、来賓の方々、そして「世界平和女性連合」の代表者と会員の皆様!「世界平和女性連合」第3回世界大会に参加されたことを心より歓迎いたします。
私たち女性連合は、1995年の世界大会以降、世界140ヵ国にその領域が拡大され、世界中に10万人あまりの正会員と数百万人の準会員がいます。また会員たちの活動は、イギリスと北アイルランドとの間に平和の橋を架けることや、マラウイでのエイズ防止教育などで各国の指導者や国民に大きな感動を与えることができました。1997年夏に私たちの連合は、短い年輪であるにもかかわらず、国連の非政府機構(NGO)に加盟しただけではなく、経済社会諮問委員会で諮問機関として承認されたことを誇らしくお知らせします。今回の全体会議のテーマは、「新しい千年時代を迎える女性はどのように世界を愛し、奉仕するか」という問題です。
真なる真理の道
世の中には私たちの愛と助けの手を必要とする所があまりにも多いです。物質的、外的な支援をすべき所はもちろんですが、精神的、心霊的に疎外された所のほうがもっと深刻な部分です。人にはみな父母がいます。また、師がいて、それから国の主人がいます。しかし、いくら父母といっても、真という基準を中心として見ると様々な基準があるものです。皆様自身は、どの程度の真なる父母になったと思いますか。
また、師といっても、アメリカにあるハーバードやエール、そしてコロンビア大学のようなアイビー・リーグに属する大学や、イギリスのオックスフォードやケンブリッジ大学の教授ならば、みな真なる師でしようか。国の主人も、真という基準から見ると、すべてが同じではありません。皆様は、アメリカのような強大国の大統領ならばみな真なる大統領であると思いますか。人が真なる父母になり、真なる師になり、真の主人にならなければならないとすれば、そのような世界最高の基準、そのあらゆるモデルの中心は誰でしようか。その方は正に神様です。
神様は、永遠なる真の父母であり、永遠なる真の師であり、永遠なる真の主人であられます。私たちが神様の息子、娘になるならば、まず神様のような真の父母にならなければなりません。神様のような真の師の道を行かなければなりません。そして神様のような真の主人になる道を行かなければなりません。これが三大主体思想です。究極的なモデルは神様なのです。
旧約聖書の記録を見ると、イスラエル民族に送られたメシヤは誰だったでしようか。メシヤは正に第ニアダムである真の父母として来られた方であり、真の師として来られた方であり、真の王として来られた方です。しかし、イエス様がこの地で家庭を築き、民族を一つにできなかったことによって、再び来なければならないのです。再び来るメシヤは、第三次アダムとして来て、世界的な基準で真の父母権と真の師権、そして真の王権を教えてくださるでしょう。これが正にメシヤ思想です。
したがって、家庭があり、国があり、世界があり、天がある所であればどこでも、いつでも三大主体思想が正しく確立されなければならないのです。神様が子女に願われることは何でしょうか。お金をたくさん儲けた百万長者になることでしょうか。国の最高権力を手につかんだ大統領になることでしょうか。神様が息子、娘であるアダムとエバに願われたのは、彼らが成長し、孝子、忠臣、聖人、聖子になることでした。
では、皆様は神様が願われるように、家庭で孝子になろうという考え、国で忠臣になろうという考え、そして天地の前に聖子になろうという考えをしたことがありますか。歴史的に見ると、聖人たちはみな、孝子になり、忠臣、聖人、聖子になれと教えてきました。人が真なる父母の資格があり、真なる師の資格があるときは、真の主人の資格ももつようになり、さらには真なる王になり得る資格までもつようになります。
堕落した人に真の孝子という概念があるでしょうか。忠臣の概念もありません。聖人の概念もありません。聖子という概念もありません。ですから滅びるのです。誰が、聖子になることを願うのでしょうか。神様が願われるのです。聖人は誰が願うのでしょうか。世界が願います。国は何を願うかというと、忠臣を願います。家庭は孝子を願います。これが正に真なる真理の道です。
変わることのない愛の場に神様が臨在される
真なる父母は子に「孝子になったから、忠臣になってはいけない」とは言いません。真なる父母はその孝子に「お前は家庭を犠牲にして忠臣の道を訪ね、国に仕えなければならず、国を犠牲にして聖人の道理を果たし、世界のために生きなければならず,世界を犠牲にして天地が願う道を行かなければならず、天地を犠牲にして神様を訪ねていかなければならない」と教えてあげなければなりません。
そのようになるには、個人は家庭のために犠牲にならなければなりません。家庭のために犠牲になってこそ孝子になるのです。また、国の愛国者になるには、その家庭全体を犠牲にしても国を救わなければならず、聖人は自分の国を犠牲にして世界を救わなければならず、聖子は世界を犠牲にして地上天国を成し遂げなければならないのです。ですから、すべての父母の中でより子のために生きる父母が真の父母であり、いかなる師よりも「ため」に生きるという師が真の師であり、いかなる大統領よりも「ため」に犠牲となるという大統領が真なのです。
個人主義の存立根拠はどこにあるのでしようか。誰でも自分自身において自分だけを主張し得る部分は一つもありません。子供が父母の愛によって母親の胎内、卵子から成長して生まれるとき、99.999パーセントが母親の骨と血、そして肉です。そこに0.001パーセントである父親の精子一つが合わさって生まれるのです。そこには自分という概念があり得ません。誰でも生まれるとき、自分自身だけという概念はなかったのです。
なぜ男性が生じたのでしようか。よく男性は一人でも生きていけるので女性に関心がないと言いますが、男性は女性ゆえに生まれたのです。女性がいなければ、男性は必要ありません。絶対的に必要ありません。結局、自分ゆえに生じたものは一つもないということです。私たちの五官を見てください。私の目は自分の目を見るために生じましたか。鼻や耳、口、手もみな相手のために生じたのです。五官を総動員して集中させることのできるその力が何かというと、真の愛です。目、鼻、耳、口、そして手は、真の愛のために生じた、真の愛の道具なのです。
何ものも自らのために生じたものというのは一つもありません。他人のものを自分のものにする人を泥棒といいます。他人のものを持っていき、自分のものとして使う人が泥棒ではありませんか。ですから、女性のために生まれた男性の五官と体を自分勝手に使う人は泥棒です。男性と女性は互いに何が違いますか。まず性器官が違います。では、男性の性器官は誰にとって絶対に必要でしょうか。男性の性器官は女性のためにあるのです。
すべて相対のためにあります。二人が完全に一つになるその場から理想的な夫婦が生じ、正にその場に絶対愛が存在し、絶対的に変わらないそのような愛の場に神様が臨在されるのです。したがって、絶対「性」は神様を中心としたものであり、フリーセックスは自分とサタンを中心としたものです。真の愛はどこから始まるのでしょうか。自らの命をなげうった後、再び復活し、3回以上さらに投入しようというところから真の愛が始まります。私たちは堕落した血を受けたので、自分の命を懸けてもこれを越えなければなりません。
神様から最高の愛を受ける家庭を築くべき
到来する未来の世界は「神様のもとの一つの世界」です。神様は、そのような世界のために働いておられ、またそのような摂理のために働く者を助けておられます。そして、今後も永遠にそのような者たちを助けられるでしょう。ところで、問題はすべての人々がそのような世界で暮らすことを望みながらも、そのような摂理の参与者になることを好んでいないということです。
一つの平和な世界をつくるために、私たち夫婦は様々な努力を傾けています。そのうちいくつかの代表的な例をあげれば、人種と宗教、国境、言語の障壁を越え、未来世界の基盤を固める理想的な国連大学を立てることです。また、世界的な知識を交流するための遠隔通信大学が必要です。
医学では、堕落によって生じた肉身の病を治療するだけではなく、東西文化の和合を通し、東洋と西洋の葛藤までも改善する次元で、「統一思想」と「統一医学」を開発しなければなりません。東西の思想と医学が一つになれば、今後エイズのような難病が治せるようになるでしよう。これらのすべての課題は、すでにブリッジポート大学と鮮文大学を中心として実践に移されています。さらに私たち夫婦は、アメリカに「ワシントン・タイムズ」だけではなく、南北米のすべての国々をカバーする言論機関をつくり、この言論機関はまもなく世界185ヵ国まで拡張され、世界が一つとなって学び、協力する上で大きく貢献することになるでしよう。
誰もが、家庭では父母に孝行し、国のために忠臣となり、世界のために聖人となり、神様のために聖子となる道を行かなければなりません。誰もが、家庭・国家・世界・天地の前に恥ずかしくない、この宇宙、自然の中で天運の保護を受ける者となり、神様から最高の愛を受ける家庭を築かなければなりません。そのような家庭は、祝福の関門を通して成就されるのです。
今後「世界平和統一家庭連合」はより一層拍車をかけた「真の家庭運動」を展開し、2001年までに3回にわたって3億6000万組の祝福結婚式を挙行するでしょう。価値観の転倒と倫理的な堕落によって青少年が堕落し、家庭が根こそぎ破綻しています。「蒔いたとおりに刈り取る」という言葉があります。エデンの園でアダムとエバが未完成期に不倫を植えつけました。「終わりの日」にそのような現象が世界的に再現され、青少年の深刻な堕落現象が罪悪歴史の結実として現れるのです。
滅亡の一途をたどる人類を危機から救うこと以上に、緊急で重要なことがどこにあるでしょうか。人類を救うことのできる根本的な代案である真の家庭運動と祝福結婚儀式を世界化、普遍化させようとする私たち夫婦の活動は、尊敬を受ける女性指導者の方々の積極的な後援を必要とします。国別に志のある指導者たちが一つになって、真の家庭祝福結婚運動の支援部隊をつくり、国を救う運動をしなければなりません。
人類を本然の姿に復帰するこの意義ある事業に、様々な指導者たちが主役となり、率先してくださることを切にお願いします。そうして、万民が一日も早く真の家庭を築き、神様を中心とした地上・天上王権時代に進入し、勝利と自由と平和と統一の世界で暮らし得るように指導しなければなりません。皆様と皆様の家庭、そして皆様の国が神様の愛で満たされることをお祈りしながら、私のお話を終わろうと思います。