225.韓鶴子総裁御言選集2 理想家庭と平和世界のモデル
第2巻 第25回
第2部 理想家庭と平和世界モデル
10. 神様のモデル的理想家庭と国家と平和王国
*このみ言は、2006年3月16日、「韓国平和大使指導者大会」で文鮮明総裁が語られたもので、その後、韓鶴子総裁が4月28日から8月19日まで開催された「天宙平和連合」180ヵ国祖国郷土還元大会世界巡回の時に宣布された。
天宙的理想郷に向かって、世界平和の具現を実現しようと、地球星の至る所から来られた尊敬する平和大使の指導者と祝福家庭の皆様。お忙しい日程にもかかわらず、「天宙平和連合」をモデル国際連合(国連)とし、全世界の各国が力を合わせて平和理想世界王国である「天一国」を創建していくために、「天宙平和統一家庭堂」を世界的次元に拡大、格上げし、「天一国平和統一堂」として生まれ変わらせる本大会に御出席なさろうと、数千、数万里を駆けつけてくださった皆様に感謝申し上げます。
ただ前だけを見つめながら歩んできた80数年の人生
今年(2006年)は、私の夫である文鮮明総裁が生まれてから87年目となる年です。後天時代を大きく開いていく「天宙平和連合」の共同創設者として、私はきょう、この貴い席を借り、「神様のモデル的理想家庭と国家と平和王国」という主題で、私たち夫婦が一生の間教えてきた、天の下さった真理の一端をお伝えしようと思います。
皆様。振り返ってみれば、実に夢のような文総裁の生涯でした。青雲の志に胸を膨らませていた16歳(数え)の青年の年に天から召され、世俗の夢をすべて諦め、天命に従って出発した文総裁の人生でした。決して平坦な道ではありませんでした。ただ前だけを見つめながら歩んできた80数年の人生でした。文総裁のためにあらゆる犠牲に耐え、言い表せない受難の道を歩いてこられた愛する父母、兄弟が哀切な思いですがりつく、その手さえも振り払わなければ歩めなかった宿命的な生涯でした。この地に65億の人類が生きていますが、その誰一人として理解できない荒野路程でした。今まで6度の獄苦を経験しながらも、最後まで摂理の舵を放さずに生きてきたのが、文鮮明総裁の人生だったのです。
文総裁がこのような人生を歩んできたのは、数千、数万年待ち続けながら訪ねてこられた神様の、恨に固まった悲惨で痛ましい心情を、あまりにもよく理解した文総裁だったからです。万民の根源であられ、宇宙万象の創造主であられる神様の恨を解いてさしあげなければ、人間の人生には何の価値もないという事実をはっきりと知ったからです。
それでは、神様の恨はいつ、どこで、どのように固まったのでしょうか。いったい誰が、絶対者であられ、万能なる神様に、恨を植えつけることができたというのでしょうか。神様はアダムとエバを創造し、人類の最初の先祖として立てられました。御自身の全体を100パーセント投入され、愛と生命、そして御自身の血統が連結された息子、娘として立てられたというのです。父子の関係こそ、あらゆる関係の中で最高、最上の関係だからです。神様の血統を伝授してあげ、永存させる唯一の道が、正に父母と子女の血統関係しかないからです。
しかし、生命より貴く重要なこの父母と子女の関係が、アダムとエバの堕落によって切れてしまいました。永遠のひとり子として立てた御自身の血筋が、怨讐サタンと血縁的関係を結ぶことによってサタンの子女となり、離れていった現実の前に、神様の胸には、歴史的な恨によって血の塊ができたというのです。歴史上、誰も理解できず、誰も解いてあげられない、無念極まりない悲しみの恨として残ってしまいました。
アダムとエバを中心として、御自身の血統を永遠に伝授する真の家庭を立てようとされた神様の創造理想は、このように第1代で挫折してしまいました。したがって、神様の恨を解いてさしあげられる唯一の道は、正にサタンの血統と関係のない真の家庭を探し立てることです。ここに、私たち全員が神様の創造理想である真の家庭を立てなければならない理由があります。「天宙平和連合」創設の根本的な趣旨と目的も、ここにあるのです。
旧約聖書の創世記第1章27節を見れば、「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」という聖句があります。この節を帰納的に推理してみれば、神様は一人の男性と一人の女性を合わせた方であるという結論が出ます。神様が、お一人でいるのは良くないと思われ、御自身の対象として創造したのが被造世界です。宇宙の万象は形状的対象の位置に、そしてその中心に実体的対象として人間を創造されたのです。このように、神様の実体対象として創造した最初の男性格代表がアダムであり、女性格代表がエバです。神様がこのように人間を一男一女に分立して創造されたことには、目的があるのです。
神様の創造理想
第1に、二性性相の中和的主体として自存されながらも無形であられる神様が、実体世界と向き合うのに必要な体をまとうためでした。男性の体だけでなく、女性の体だけでもない、アダムとエバの二人の体をまとって、実体世界と自由自在に通じ合い、作用するためだったのです。体をまとっていない無形の神様だけでは、有形実体世界と向き合うのに限界があるからです。
したがって、アダムとエバが心の中に神様をお迎えし、一体となって完成した土台の上で、結婚して子女を生み、家庭を築いていたならば、アダムとエバは外的で横的な実体の真の父母になり、神様は内的で縦的な実体の真の父母になったでしょう。このようにさえなっていれば、アダムとエバは内外両面で100パーセント、神様に立体的に似た立場に立つようになったはずです。このように、神様に完全に似たアダムとエバが人類の真の父母になっていたならば、彼らの姿を通して、人類は日常生活の中で神様の実体を認知して、生きるようになっていたでしょう。
第2に、愛の完成のためです。アダムとエバが完成して完全一体となった愛の実体になれば、その上で神様が臨在し、人類の真の愛の父母になろうとされたのです。神様の形状的な実体父母の立場に立つアダムとエバが、実体の子女を繁殖することにより、理想家庭と理想世界を築くことができたでしょう。そのようになれば、人間を通して霊界と地上界が連結されます。このように、神様は霊界と地上界を連結する目的をもって、人間を創造されたという結論を下せるのです。
神様は、真の愛を中心としてアダムとエバに臨在されることにより、人類の真の父母、実体の父母としていらっしゃり、アダムとエバが地上の生涯を終えて霊界に入れば、そこでもアダムとエバの形状で、彼らの体をまとい、真の父母の姿で顕現されるようになるのです。しかし、アダムとエバの堕落によって、神様のこの夢は挫折してしまいました。
神様が必要なのは、お金でも知識でも、あるいは権力でもありません。神様は絶対者であられ、全知全能な方なので、そのようなものは必要とされない方です。いくら現代科学が目覚ましい発展を重ねても、そのすべてが、神様の創造圏内で新しい諸事実を発見していく過程にすぎません。膨大な宇宙は、人間の思考と科学が及び得ない秩序の中で、法度に従って運行しています。このように、神様は絶対的科学者でもあるのです。
それでは、人間の創造を通した神様の理想は何だったのでしょうか。それは正に、四位基台を造成することです。ここで言う四位基台とは、神様を中心として、アダムとエバが神様の愛の圏内から抜け出そうにも抜け出すことのできない、完全一体の境地を意味します。神様と一体となることはもちろん、彼らが互いに一つになって理想的な夫婦となり、理想的な子女を繁殖することによって成し遂げるようになる、神様中心の家庭的基台を言うのです。このように家庭的四位基台が完成すれば、これが正に神様の願われた創造理想家庭になるのです。
一般的に、家庭とは結局、父母と子女、そして夫婦の結合によって形成された一つの束ですが、この束の中心は、神様の愛でなければならないというのです。ここで夫は天を代表し、妻は地を代表するようになります。ですから、夫婦は二人ですが、彼らが横的に一つになるとき、天と地が統一される立場に立つようになるのです。神様の愛を中心として夫婦が一つになれば、天宙が統一される道が開かれるという意味です。
皆様。神様が被造世界を創造された目的は、究極的に喜びを享受しようというところにあります。しかし、絶対者であられる神様も、一人では喜びを感じられないので、愛を与え合うことができる対象が必要だったというのです。喜びは学ぶものではなく、相対を通じて感じるものだからです。言い換えれば、神様は人間と万物が神様の愛を中心として一つになり、和気あいあいとした愛の世界を築くのを見て、喜びを感じるためにこの世界を創造されたのです。そのような基盤の上で、人間が神様の愛を中心として真の夫婦の関係を結び、真の愛の家庭と氏族、民族、国家、世界を築くのを見て喜びを感じるために、この被造世界を創造された神様であるというのです。
このように、神様の愛の理想を完成するには、人間は絶対に必要です。そのような次元で、「絶対価値とは、絶対的相対から創出されるものだ」という言葉も理解できるでしょう。
神様は父であり、人間は子女として、縦的な軸を形成するようになっていたのが、人間の創造です。もしこの軸が完全に連結されてさえいたならば、すなわち人間と神様の間に真の愛で一体となった関係さえ結ばれていたならば、宇宙のどのような力も引き離せない、絶対不可分の関係になっていたでしょう。神様の本然の愛にひもを結び、その愛を味わった人が、どうして分かれることができるでしょうか。
蜜蜂は春になれば、長い冬ごもりから目覚めて新鮮な蜜を味わうようになります。夢中で花の蜜を吸っている蜂のしっぽをピンセットで引っ張ってみてください。しっぽが抜けて体から取れても、蜜から口を離すことのできない蜂がいるのを目にします。皆様はいかがでしょうか。皆様が本当に神様の真の愛の味を知るようになれば、たとえ逃げていっても、また戻ってきて、その真の愛にくっつこうとするのです。このように、神様と連結させてくれる縦的な真の愛の力は、生命の力よりもっと大きいというのです。
家庭の価値と3代が調和して暮らす家庭
皆様。私たちが遠く離れた家族を慕うのは、そこに、ために生きる愛があるからです。父母の愛、兄弟姉妹の愛、妻子と隣人、親戚の愛が、一つ一つ宿っている所です。このすベての関係が、ために生きる愛によって結ばれていて、すべてを抱きかかえたいと思う、温かい所です。
そこに、解放された自らとして堂々と現れ、自然を抱き、家族や親戚を愛しながら歓喜の歌を歌いたいのが、家族のもとを離れた旅人の郷愁であり、希望でしょう。故郷を追われ、本郷の心情の根を失ってしまい、家族に会いたいと思っても行くことのできなかった永遠なる孤独の敗亡者として、独り流浪しながら生き、地獄に行くしかなかった身の上が、正に堕落の後裔である人類だったというのです。
しかし、人類は今や後天開闢時代を迎え、このような足かせの沼から解放され、夢にも忘れられなかった故郷を訪ね、家族に会える道が開かれたのです。人類にとってこれより大きな祝福の日が、いつあるでしょうか。アダムとエバが堕落によって失ってしまった本然の家庭を、私たちが再び探して立てられる天運の時が到来したというのです。
皆様が、失われた本然の家族を訪ねていくときは、アダム完成の位置で、イエス様完成の位置で、そして再臨主を代表する完成した位置で行かなければなりません。その家庭には、神様が臨在され、祖父母、父母、子女が共に調和して暮らす3代の家族になるでしょう。祖父を歴史的な先祖の根として侍り、暮らさなければなりません。
共に暮らす人生の典型は家庭です。父母と子女は愛と尊敬で、夫婦は相互信頼と愛を土台として、兄弟姉妹は互いに信じて助け合いながら、一つになって暮らす家庭が、正にモデル的理想家庭だというのです。真の愛の根に真の愛の幹が生じ、真の愛の実を結ばせる、真の家庭を探し立てなければならないという意味です。
そのような家庭には歴史の根が生きており、天の国の根が張っているというのです。地上天国の根が下りている所が、そのような家庭です。永遠に続く神様の王権の根も、ここに定着するのです。過去、現在、未来の根が、それぞれ祖父母、父母、孫と孫娘に代表され、過去の根は霊界を代表し、現在の根は現世界を代表した王宮であり、未来の根は孫と孫娘を王子、王女として立て、二つの世界、すなわち霊界と肉界を代表する平和の宮殿です。それを建てて暮らすのです。
このように、祖父母、父母、孫と孫娘を中心として、3代が一つの家庭で永存される神様に侍って暮らす天一国家庭を探し立てることは、氏族的メシヤの責任であり、平和大使の使命であり、神様の願いであることを知らなければなりません。
神様も、どこかへ外出しても懐かしくて、再び訪ねてこられる家庭を探し立てなさいというのです。父母が子女の家を訪ねるように、喜びの心で気楽に訪ねてくる家庭を準備しなさいというのです。それが正に、神様に侍って暮らす生活です。その家庭で、神様を縦的な良心の主体として、侍り、その縦的主体に従って皆様の体と心を統一するのです。そこでは父母の愛、夫婦の愛、子女の愛、兄弟の愛など、四大愛圏である四大心情圏が完成するのです。このような家庭でこそ、上下、前後、左右が一つに連結されて球形運動を継続するようになり、したがって、永存する神様のモデル的理想家庭と国家と平和王国になるのです。
永遠なる平和理想王国時代
皆様。なぜ結婚しなければならないのでしょうか。主人の位置を探し出すためです。男性も女性も、一人では半分の人間にしかなれません。神様の創造がそのようになっているのです。それで、神様は愛の器官である生殖器の主人を互いに取り替えておいたのです。妻の生殖器の主人は夫であり、夫の生殖器の主人は妻だというのです。互いにために生きる愛を中心としてこそ、相手の主人の位置に立てるのです。このような主人の位置を確保するために、人間は結婚をするのです。
それでは、主人の位置を探し出して何をしようというのでしょうか。その位置で神様の愛を占領しようというのです。神様は三大愛の主体であられます。天宙の主人として、真の愛の師、真の愛の主人、真の愛の父母であられるのです。これが正に、真の「三大主体思想」です。このようなすべての教えと真理が、真のモデル的家庭の生活を中心として創出されるのであり、これを拡大すれば、社会と国家、そして世界と天宙までも、モデル的理想家庭の平和王国に変えることができるのです。
尊敬する指導者の皆様。皆様は今、歴史上、最も恵まれた貴い時代に生きています。歴史上、生まれては逝った数千億に達する皆様の先祖が、霊界で何よりも願い、待ち望んだ後天開闢の時代、すなわち平和理想世界王国時代の出帆を宣布します。
四大聖人はもちろん、数千億の善の先祖が総再臨し、皆様の天の道を導いています。悪なる者たちが適当に生きて裕福に暮らす、そのような不条理で腐敗した世界が威勢よく振る舞う時代は過ぎ去っていくのです。天の印を受け、人類の真の父母、万人の平和の王として顕現した文鮮明総裁は、天との約束を必ずや守り抜くでしょう。この地球星に、必ずや平和理想世界王国時代を花咲かせるでしょう。したがって、真の父母であられる平和の王をお迎えし、この地上に永遠の平和理想世界王国を創建する主役が、正にきょう、この場にお集まりになった皆様であるという点を、肝に銘じてくださるようにお願いします。
アベル国連の旗を掲げて、全世界の不条理と悪を掃き出しましょう。誇らしい「天宙平和連合」の「平和王国警察」と「平和王国軍」になり、世界中の祝福家庭を守り、祝福の地であるこの地球星を守り抜く警備隊の役割を完遂しましょう。
きょう、このようにこの場に参席してくださった各界指導者の皆様に、天の恩籠と祝福が満ちあふれることをお祈りいたします。合わせて、「天宙平和連合」の発展と成功のために、神様の理想家庭と理想国家、そして平和王国を創建するために、真の父母と共に最善を尽くす皆様となってくださることを願います。
万民の平和の王であられる神様を真の父母として、侍って暮らす、真の王子、王女になってください。真の孝子、忠臣、聖人、聖子の家庭の道理を果たし、太平聖代の平和王国を創建しましょう。神様の祝福が皆様の家庭と国家の上に満ちあふれることを願います。ありがとうございました