307.韓鶴子総裁御言選集3 天一国と私たちの使命

第3巻 第7回

第1部  平和世界に向かう道

8. 永久的平和世界実現のための国際協力

*このみ言は2016年2月15日に韓国ソウルの国会議員会館で開催された「世界平和国会議員連合」発起人大会で宣布されたものであり、文善進世界会長が代読した。

世界の至る所からお越しいただいた首脳と国会議員の皆様、「天宙平和連合」が主管する国際指導者会議(ILC)の参加者の皆様、そして内外の貴賓の皆様!歴史の深い大韓民国の国会で皆様に語る機会を得ましたことをとてもうれしく思います。今回の国際指導者会議に参加するために、全世界の50ヵ国以上から150人以上の現職の国会議員が集まり、「世界平和国会議員連合」の創設のための発起人総会を行うことをとても意義深く思っています。

恒久的な平和世界が実現するには

聖和された夫の文鮮明総裁と私は、神様の摂理において大韓民国だけの特別な使命と役割があると信じており、またそのように教えてきました。神様は私たちの天の父母様であり、信仰の祖国である大韓民国は、全世界の国家と民族、人種と宗教、文化と国籍に対して父母の位置に立てるように刻苦の努力を尽くさなければなりません。「神様のもとの人類一家族」の実現のために、大韓民国が主導的な役割を果たさなければなりません。

尊敬する指導者の皆様!国会は国民の家であると同時に、国民の声が聞こえる場所であり、また民主的に選出された国会議員が公共の利益を発展させる所です。代議民主主義制度は数世紀の歴史的な根をもつ高貴な伝統であり、民主主義政府の形態の中で最も普遍的に定着した形態です。

このような高貴な伝統の中心にいる皆様は、一つ重要な共通点があります。それは正に国民の代表として皆様を選出してくれた国民を尊敬し、国民に仕えなければならないということです。皆様個々人は、国民に仕える者として公共の利益を追求し、責任意識と透明性、他の議員との協力関係、国民の要求に対する即刻な対応、包容力と人権の尊重、法治主義などの正しい政府がもつべき基本原則に従うようになっています。

しかし、現代的な民主主義体制に従うにしても、私たちの創造主であり、天の父母様である神様を失ってはなりません。聖和された夫と私は、恒久的な平和世界を建設するために一生涯を捧げました。それは神様を中心とした私たちの生涯の宿願であると同時に使命であり、特に暴力的な紛争や葛藤がなくなるだけで平和が成されるわけではないと常に教えてきました。和合と均衡、そして相互尊重を基盤とした関係が形成される時に平和が成され、そのような関係は、利他主義を実践し、「ため」に生きる人生を送るようになる時に形成されるのです。それが正に真の愛の本質です。

森羅万象を創造された天の父母様の本質は正に真の愛です。私たちには、共通にもっている本質から現れる性稟があります。私たちは互いに愛し合い、天地万物を愛することができる存在です。神様の息子、娘としての私たちの目的と責任は、心と体が統一された真の愛の人格体となり、その基盤の上に真の愛を中心とした一組の夫婦と家庭を築くことです。また、そのような家庭を通して、社会と国家の基盤を築き、環境を構成している森羅万象と地球を保護することです。そのような責任を成し遂げるようになる時に、私たちは恒久的な平和世界を実現することができるのです。

第5国連事務局を韓半島に誘致

夫と私は「ために生きる人生」という理想を、政治・宗教・市民社会・民間・学術・芸術部門や世界的な政府を含めた社会の全分野において実践してきました。そして、このような「原理を自分の人生で実践してきた個人たちを平和大使に任命し、敬ってきました。全世界的に数多くの国会議員が平和大使に任命され、任命された彼らは「天宙平和連合」をはじめとする私たちの運動団体と緊密に連係して活動しています。

2000年に夫と私はニューヨークに位置する国連本部で演説をしましたが、その時、発表した内容の中で、私たちは革新的な提案をしました。国連体制の中に加盟国の代表と共に議論し、協力し、助言することのできる、宗教指導者、霊的・道徳的な指導者で構成された超宗教議会を設立することでした。この議会は、天宙的な価値観と「原理」を代弁する機構として活動すればよいのです。

さらに重要なのはこれです。私たちの念願は、神様を中心とした国連になることです。2015年5月にオーストリアのウィーンにある第3国連事務局で、同じ内容のメッセージを発表しました。言い換えますと、私たちの職業が何であったとしても、神父や国会議員、あるいは教授だとしても、天宙的な価値と霊的な「原理」に従わなければなりません。小都市の市長も、小さな教会の牧師も、国の大統領も、国連の事務総長も、このような「原理」に従わなければなりません。それは永遠に続く私たちの責任であり、この場に集まった各国会議員の責任です。

夫と私は国連に対して特別に感謝の思いを抱いています。1950年に北朝鮮軍が韓国を侵した時、国連軍が北朝鮮軍を阻止してくれ、また、私の夫が北朝鮮で「死の収容所」と呼ばれた所に収監中にあった時、国連軍が釈放させてくれました。国連軍の介入と保護がなかったら、私と夫は、与えられた使命を成し遂げられないままに生き残れなかったかもしれません。その時、国連は天のみ旨に従って動いていたのだと私たちは考えています。

国連は第二次世界大戦以後に設立され、すでに70周年を記念しています。ニューヨーク、ジュネーブ、ウィーンとナイロビに国連事務局がありますが、アジア太平洋時代に生きているにもかかわらず、アジアにはそのような本部がありません。世界の情勢を見れば、地理的、経済的、そして政治的に、その中心はだんだんとアジアに移動しています。このような事実を認知している「天宙平和連合」をはじめとする私たちの運動の様々な団体は、66年前、国連軍が平和のために血と汗と涙を流したこの地に第5国連事務局を誘致することに対する検討を積極的に支持しています。

きょうの午後に、皆様の中の多くの方が非武装地帯を見学することになります。そこに到着されたら、この提案を積極的に検討してくださることを願います。韓国と北朝鮮との関係の正常化と平和な関係の形成のために、大韓民国の大統領も非武装地帯に平和公園を造成することを直接提案しました。韓国と北朝鮮の支持を受けて韓半島に第5国連事務局が非武装地帯に誘致されれば、韓半島の平和と北東アジア地域の平和形成に大きく貢献することと思います。

「世界平和国会議員連合」を構成して平和実現に専念する

結論として、私は国会議員の役割の重要性を強調したいと思います。皆様は国民を代表する人物です。国民は皆様に大きな責任を任せました。それとともに皆様は、神様に対しても責任があります。世界の国会議員たちが一つとなり、平和のために協力するようになれば、私たちはこの世の中を変えるようになるのです。幸福と和合、そして永久的な平和の世界を実現するようになるでしょう。

したがって、この事実を知った皆様にお頼みしたいのは、「ために生きる人生」の「原理」と神様を中心とした「世界平和国会議員連合」を構成して世界平和の実現に専念してほしいのです。皆様は73億の人類を代表する人たちです。このように一つになれば、私たちにできないことはありません。永久的な平和世界の実現に向けて協力しましょう。きょう、皆様にこのようなお話を分かち合える機会を与えてくださり、感謝申し上げます。神様の祝福が皆様と皆様の家庭、そして皆様の国に共にあるようお祈りいたします。

9. 世界において神様に侍る運動を展開しましょう

*このみ言は、2016年11月30日、アメリカ、ワシントンD.C.の国会議事堂で開催された「世界平和国会議員連合」北米圏創設大会で宣布されたものである。

今年(2016年)初め、韓国において議員連合の発議を行い、ネパールにおける議員連合創設大会、西アフリカ、ヨーロッパ、中米、南米、東アフリカにおける大会を成功裏に終えたうえで、このように米国大会の日を迎えました。

神様に侍る運動を展開すべき時

この場に集った私たちは、世界で起こっている、言葉にできないほどの悲惨な出来事を目撃しています。もはや人間の力では解決できない状況に置かれているのです。それでは、私たちは、どうすべきなのでしょうか。本来の宇宙の主人であられる神様を、私たちの家庭と国、世界にお迎えし、侍る運動をしなければなりません。しかし、現実として、心はそのように望んでいますが、実践するのは非常に大変なことです。

創造主であられる神様は、天地万物、動物世界まで創造し、最後に、人間の始祖となりうるアダムとエバを創造されました。そして特に、アダムとエバに責任を下さったのです。それは、神様の夢を成し遂げるための責任でした。

(アダムとエバは)神様と絶対的に一つになった立場で祝福を受ける位置まで行くという、成長過程を通過しなければなりませんでした。しかし、成長過程において、欲心が生じました。自分を顧みるようになったのです。それは、神様との関係が遠くなったということです。結局、真の父母となるべき人類の始祖は、堕落によって悪なる偽りの父母となり、人類を生み殖やしてきたのです。

しかし、全知全能であられる神様は、創造目的を実現しなければなりません。始まりと終わりが同じでなければならないのです。ですから、神様はあまりにも寂しく、つらい摂理路程を導いてこざるをえませんでした。そうして、聖書で言う選民、イスラエル民族を選び、40年でも400年でもなく、4000年という気の遠くなるような歳月を通して、御自身の独り子、イエス・キリストを送られたのです。どれほど大変であれば、4000年もかかるのでしょうか。

堕落した人類は、天のみ前に直ちに進み出ることはできません。蕩減条件を立ててこそ、進み出ることができるのです。ですから、天の蕩減復帰摂理というのは、一言で言って、血の涙が流れるようなつらい路程でした。天の願いは、人類を前にして、失われた真の父母の位置を探し立てることです。それを成し遂げるのが正に、メシヤ、救世主です。

しかし、どのようになりましたか。イスラエル民族の置かれた環境は、巨大なローマ帝国に囲まれていました。「全ての道はローマに通ず」と言われていたのです。そのような環境圏にイスラエル民族を置き、イスラエル民族を通してメシヤを送ってくださったというのです。イスラエル民族、特にマリヤ、ザカリヤ家庭、ヨセフ家庭、ユダヤ教がイエス様と一つになり、天の摂理を率いていったならば、ローマ帝国の基盤を通して、そのとき、神様を中心とする一つの世界、地上天国が成し遂げられていたことでしょう。

しかし、実際はどうだったでしょうか。責任を果たすべきイエス様の周りの人たちが、責任を果たせませんでした。それにより、イエス様の足場がなくなってしまったのです。それでイエス様は、十字架に掛かって亡くなる状況の中で、「再び来る」と言われました。再び来て、「小羊の婚宴」をするというのです。それは、イエス様が真の父母の位置に行けなかったので、再臨のメシヤは、必ずや真の父母の位置に進まなければならないということです。

アメリカを中心とした天の摂理

キリスト教の2000年の摂理歴史は、独り娘の位置を築いてきた摂理歴史であると考えることができます。天は再臨のメシヤを送るため、多くの摂理を展開する中で、特別にこの国を選ばれました。

中世のキリスト教は腐敗していたため、何の束縛もなく天の父母様(神様)に侍ることを願い、アメリカ大陸に移民として来た清教徒によって、米国という国が誕生しました。米国には原住民がいましたが、再臨のメシヤの基盤、環境圏をつくることのできる民族として、天はこの米国を立てられたのです。祝福されたということです。

天の祝福を受けた民族には、責任が伴います。しかし、米国が建国200周年を迎えたとき、状況はどのようになっていたでしょうか。極度の個人主義、利己主義、家庭破綻、青少年問題、麻薬問題によって、米国は病んでいました。そのとき、アジアの小さな国、韓国から、レバレンド・ムーンが米国にやって来たのです。(レバレンド・ムーンは)天の摂理を知り、米国を守るために来ました。米国を通して天が計画されている摂理を知っていたのです。「米国が病気になったので、私が医者として来た」、「米国の家庭に火事が起きたので私が消防士として来た」と言いながら、米国の義なる人々、有識者たちを覚醒させました。

当時、米国には有名な牧師も他に大勢いましたが、レバレンド・ムーンは1976年、ワシントン・モニュメント広場に30万人が集まる中、「米国は覚醒し、神様に侍る国にならなければならない。そうしてこそ、神様が祝福したこの国が責任を果たせる」と訴えました。“God Bless America”という趣旨のもと、大規模な大会を続け、善良な家庭を築いている米国の人々の琴線に触れたのです。その結果、米国の青少年たちが新たに復活しました。当時、統一教会員になった青年の大部分は、もともとヒッピー、イッピーでした。彼らは、天の召命を前にして、いかにして責任を果たすべきかを知ったのです。

神様はこの米国を、2000年前のローマ帝国のような巨大な力を持つ民主主義国家として成長させました。それは、来られる再臨メシヤ、真の父母の基盤になりうる米国となり、世界を一つに抱くためです。私たちがそれほどまでに待ち望み、神様の夢、神様を中心とする一つの家族、“One Family Under God”(の世界)を実現するそのときのために、(レバレンド・ムーンは)この米国で40年以上、過ごしたのです。

キリスト教文化圏の中から、「神は死んだ」という思想や共産主義が現れました。その共産主義が(1980年代初頭)当時、世界の3分の2以上を占める勢いでした。この米国の鼻の先にまで迫っていたのです。しかし、米国は目を覚ましていませんでした。その深刻さが分からなかったのです。

(1982年)当時は、皆様もご存じのように、世界の首都ともいえるワシントンの主要な新聞といえば、「ワシントン・ポスト」しかありませんでした。これは民主主義の基本的な常識として考えてもありえないことです。米国には世界的な富豪が多くいて、金持ちの国だとも言いますが、民主主義と共産主義(の闘い)について深刻に思いをはせる人が一人もいなかったということです。米国がそのような無防備な状態に居続けたとすれば、今日の米国はなかったことでしょう。

レバレンド・ムーンはその状況の中で、(1982年に)多大なる費用をつぎ込んで、「ワシントン・タイムズ」を創刊したのです。常識的に考えても、途方もない経費がかかります。それでも、このワシントン・タイムズ社を設立し、米国、特に保守陣営を教育したのです。米国が神様の摂理の中で生き残り、神様のみ旨を成し遂げる国となることを願って、そのようにしたというのです。(拍手)ありがとうございます。

しかし、米国は、そのレバレンド・ムーンを、どのように扱いましたか。「ワシントン・タイムズ」にかかった途方もない費用を考えれば、利子分の税金を払わなかったという理由で、恩人を、ましてや救世主を、監獄に送るようなことができますか。

人類の前に絶対的に必要な真の父母

天が、堕落した人類を救うためには、救世主、メシヤ、真の父母が絶対に必要です。それで神様も、6000年という時間がかかったのです。人間に責任を与えたのですから、人間の側から、真の父母の位置に進みうる人が現れなければなりません。そうして、神様の摂理、神様の夢を成し遂げてさしあげるべきなのです。

ですから、堕落した人類には、絶対にメシヤ、救世主、真の父母が必要です。メシヤ、救世主、真の父母であるがゆえに、この巨大な米国を赦し、生かしたのです。(拍手)今日、全世界で起きている暗澹たる問題は、人間の力では到底解決できません。

きょう集まった皆様を通じて、私はこのようにお話ししたいです。本来、神様には、人類の真の父母になるという夢がありました。ご自分の息子、娘として、73億の人類を抱きたかったのです。しかし、倉造の原則において、責任を果たせなかった人たちの後孫である今日の人類は、神様の前に直接出ていくことができません。聖書には、野生のオリーブと真のオリーブの比喩があります。野生のオリーブである堕落した世界人類は、真の父母によってのみ、真のオリーブになることができます。ですから、今日、人類にとって絶対に必要なおかたが、真の父母なのです。

今日、この国(の各地)から集まった国会議員や指導者の皆様と、世界(各地)から来られた議員の皆様には、重大な責任があります。皆様が重要なのです。新しい摂理時代において、神様は一人の責任者より、民を代表する仲保者である皆様を必要とされています。(拍手)ですから、真の父母に侍り、皆様の家庭、社会、国家、世界において、神様に侍る運動を展開しなければなりません。それが、今を生きる皆様が、天の父母様の前に孝子・孝女、忠臣となる道です。

私たち皆が、神様の真の子女になるべきだということです。そこに至るための正しい道を示してくださるかたが、救世主であり、真の父母であることを肝に銘じてください。一つになって、神様の夢、人類の願いをかなえてさしあげる皆様になることを願っています。(拍手)

Luke Higuchi